第22話 ボクの お腹の中で 起きていたこと

 ボク、ゆーと。


 以下、ボクもけーごも知りようがない、ボクの身体の中のお話。


 ただしくは、ボクのお腹の中の、生殖器、子宮や卵巣の中のお話。


 先輩たちの指摘の通り。


 ボクは、この後、妊娠した。


 正確に言うと、このときは、まだ、ボクの卵子は、けーごの精子で受精して、胚分割で8つに分裂したばかり。


 卵管の中、子宮に運ばれていくとこで、着床すらまだ4日後のタイミングだったんだけどね。


 排卵したのは、左の卵巣。時期は、けーごを誘ったその夜、乱暴につきいれられ、精液吐き出されたときだった。


 受精したのは、その晩の明け方。


 けーごが散々精液を吐き出して、マングリ返ししたり、体位を替えて、ボクの身体を玩具にしたせいで、普通より早く、普通より大量の精液が、卵子に到達したみたい。


 精子は、卵子の匂いにつられていくらしいけど、とんでもない数が一斉にボクの卵子を犯しにかかった。


 卵子を覆ってる透明帯という殻もあっというまにボロボロ。


 そして、精子の中で、特に優秀とか激しく動くとかってわけじゃないけど、運良くボクの卵子に到達した一個の精子が突き刺さった。


 その後、その精子の遺伝子がボクの卵子の遺伝子を犯して結合・・・。


 その後だけど、けーごに散々、抱かれているさなかに、卵子は2つに分裂。


 そして、やっと学校に出かけて、みんなに騒がれたり、先生に叱られているところで、卵子は、4つに分裂。


 そして、今、けーごや先輩たちと学校に向かうさなか、8つに分裂。


 人体って不思議だね。


 自分の体のことだけど、自分の体じゃないみたい。


 けーごが撒いた胤。


 しっかり、ボクの中に、突き刺さったけど、この後どうなるのかな?


 まあ、このときのボクはまだ、本当に受精したかどうかすら、知らないわけで、この時期、こういう事が起きたということを推察できることができるのも、数日後のことなんだけど。


 とにかく今は。


「けーご、大好きだよ♪」


 ボクは、けーごの腕に抱きつきながら、お腹の中に赤ちゃんの素を抱えながら、笑顔を浮かべて、けーごを見上げたんだ。

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