新編　L.E.G.I.O.N.　Lord of Enlightenment and Ghastly Integration with Overwhelming Nightmare Episode8

不死鳥ふっちょ

＜世界観＞

Jardin d'ordre（ジャルダン・ド・オルダー）

　作品世界全体を指す。

　「秩序の庭園」という意味であり、広漠たる宇宙空間を不可侵領域によって制限された準閉鎖空間。その形状はカルデアとヘヴライの流れを汲んだ、古代世界において「カバラ」と呼ばれた秘教的世界観と酷似する。

　世界は八つの活動可能領域が確認され、そのうち六つの活動可能領域において人々は活動している。「カバラ」の「生命の木」に準えているとすれば、残り二つの活動可能領域の存在も推測されるが、この二つに関しては現段階では存在自体が不明とされている。

回廊

　活動可能領域同士を繋ぐ細い形状をした空間。活動可能領域と同じく人間の生存が可能ではあるが、極めて狭く空間外周部には高エネルギー循環が確認されており、抵触した場合は要塞級の防壁であっても破壊されるため、定住には適さない。

　回廊に入るためには活動可能領域内において該当するタロットカードを象徴展開することが求められる。航行する船舶のほとんどには象徴展開用の魔術回路を内蔵している。

Taureau d'or（トロウ・ドール）

　第四活動可能領域＜Chesed（ケセド）＞に存在する国家機構。意味は「黄金の雄牛」。

　現評議会理事長はドミニク・ゴーティエ。９人の評議委員にて構成される中央評議会によって、国政を執り行う。

　第一惑星「ギンヌンガガップ」の都市、「二フルへイム」「ムスペルへイム」にそれぞれ「最高評議会」「公安評議会」の中枢本部を置く。人口一八〇億人。

Dragon d'argent（ドラゴン・ダルジャン）

　第五活動可能領域＜Geburah（ゲブラー）＞に存在する国家機構。意味は「白銀の龍」。

　現首相はヴランシェ・デクリエール。首相を中心にした議院内閣制の政治機構。

　国の象徴としての王家が存在するが、憲法に定義されている以上の政治的影響力を持つ一族である。

　第六惑星「高天原」の中央都市「天磐戸」に都庁を持つ。人口二二〇億人。

＜能力＞

SchwertMeister（シュベールトマイスター）

　太刀という特殊な武具を操ることができる異能戦闘術を修めた者の総称。

　この戦闘術では膂力ではなく気の流れを読み、操り、気によって斬る。それ故通常の剣術とは一線を画した扱いとなっている。太刀がなくとも無手による戦闘も可能ではあるが、気による攻撃は不可能となり、攻撃力は著しく低下する。先天的な能力ではないものの出生時の才覚に大きく依存する。以前の<Dragon d'argent>内には＜白仙（はくせん）＞というSchwertMeisterのみからなる戦闘集団が存在したが、現在は解体されている。

Chevalier（シュバリエール）

　肉体能力に秀でた特殊能力保持者の総称。その能力は完全に先天的なものとされ、訓練や薬剤投与、精神調整その他の技術によっての人為的作成は不可能。

　神経伝達速度、筋組織密度、骨密度が常人の数倍とされているものの、新陳代謝によるエネルギー摂取量は常人とほぼ変わらない。

　遺伝による発現が最も数値的にも高い確率を示すが、それでも0.01％を下回る低確率である。一説によれば、<Taureau d'or>王室の者には、異常に高い確率でこの能力保持者が出生するとも言われている。

Faculteur（ファキュルテ）（男性形）

Facultrice（ファキュルトリス）（女性形）

　杖、指輪、符等の補助器具を用いずに魔術的現象を発現させることの出来る特殊能力保持者の総称。こちらはある程度までならば人為的に付与することができるが、先天的な能力保持者との差は歴然としている。後者は特に「オリジナル」と呼ばれて区別される。

S.A.I.N.T.（セイント）

　正式名称　the Soldiers of Alliance Interchannel with Nextage Terminal.

<Taureau d'or>王家直属の超精鋭の戦闘集団。星団有数のChevalierとFaculteurを集めて作られた護衛団である。彼らの外套、保有する艦船には紋章として、十字架を貫く血塗れの槍が描かれている。

　彼らの特徴は、その名の通り生体機材を用いた次世代VAを有機的融合させられていること。脳、脊髄、そして右腕の神経繊維に心霊術的に融合したVAを装備し、王家管理下のホストサーバーから随時スペル・アーカイヴをダウンロード可能な無線ネットワークの使用を超法規的に許可されている。

　現在のS.A.I.N.T.は総員六名。

＜白仙（はくせん）＞

　<Dragon d'argent>に存在する＜正宗（マサムネ・ザ・ネームレス）＞師団長アンジェリーク・カスガを筆頭とするSchwertMeister四人からなる戦闘集団。

　僅か四人ながらも戦闘能力は超一流であり、単独でも上級神族十二体を殲滅できるほどの腕前をもつ。現在は超級位を得たSchwertMeisterのみに贈られる称号＜天剱＞を保有するアンジェリーク・カスガの軍離脱により＜白仙＞は解体し、実質消失している。現段階の＜正宗＞師団は以前のそれとはまったく別の戦闘集団である。

＜装備・道具＞

　正式名称　Valiabilitte Amulette.

　各種宗教的追儺儀式アプリケーションを展開し、一時的に神聖領域を創造することで神霊的存在の活動を制限する効果をもつ。高位の神霊存在に対しては効果はほとんどないものの、辺境で暮らす者や旅をする者にとって、低位妖魔から身を護るためには必須の装備と言える。

　Hinduism・India系列　＜三神一体（トリムールティ）＞

　Christianity系列　＜三位一体（トリニティ）＞

　Jews系列　＜聖律（タナハ）＞　　など

M.Y.T.H.

正式名称　le MYstele du THaumaturge.

　「魔術的秘儀」という意味を持つこの兵器は、一見通常弾頭と同じ形状をもつ。現在の艦隊戦においては光学および魔術的兵器が中心となる中で、このような物理弾頭は滅多に使用されるものではない。

　しかしこの特殊兵器は、物理弾頭であること自体に意味がある。弾頭部分に呪的戦略艦の演算処理能力に匹敵するコンピュータが内蔵されており、これを用いて事前にインストールされた典礼儀式を高速疑似詠唱を行う。各種典礼儀式間の誤差はあるものの、数分で典礼儀式十年分に匹敵する魔力を構築することができ、古代世界において「奇跡」と呼ばれることの多かった、物質世界への神霊出現現象を人為的に生じさせる効果をもつ。

Arracher un sabre（アランシェ　アン　サーヴル）

　特殊鋼によって鍛造した刀と、上下から凄まじい圧力で三十もの樹脂製の車輪で挟み込む機構を内蔵した鞘からなる白兵戦闘兵器。機動力を削ぐほどに巨大で重い鞘は、しかし初撃で相手を斬り伏せることに特化したものとなる。

　車輪は同一方向にのみ回転するようになっており、さらには頑丈な鞘の外殻は刀が車輪の動きによって正確に引き抜くことができるようになっている。抜刀動作を攻撃確定動作とするための支援武器であり、これによってSchwertMeister（シュベールトマイスター）でなくとも熟練の抜刀術を可能にした。

　特に正宗（マサムネ・ザ・ネームレス）師団長セクト・ハーレイフォンの持つArracher un sabre（アランシェ　アン　サーヴル）は特注品であり、刀というイデア自体を圧縮せしめるほどの車輪圧に調整されており、如何にセクトといえど膂力のみでの制御は不可能なほどである。そのため肩から胸部までを覆う支援装甲を装備し、小胸筋と前鋸筋、大胸筋の断裂破壊を防いでいる。

　なお、納刀する場合は鞘のスリットに挿入することによって車輪が一時的に逆回転し、内蔵機構によって正回転方向への運動エネルギーを蓄える仕組みとなっている。