母の頭の中

いつもお母さんと一緒だね



私はそれを言われ慣れ過ぎてしまって

特に気にもとめてなかった


彼女……母は私の友人からも名前で呼ばれ


ポピュラーな登場人物となった


良き理解者であるかのように立ち振る舞い


姉妹かのように扱われた



でもあの頃

私は嬉しかったんだ


外での母は面白い人で

子供の世代にも理解があった


私の友人の恋愛相談にのり、

親の愚痴をきいてあげていた母


友人たちの中で

母は「いい親」になった



でもそれは

母の作り上げた

檻であったことを



私は知ってしまったんだ


いや、知ったんではなく

気がついてしまった、気づかされてしまったんだ


人生において、

ここまで私を納得させた一言を

まさか母のカルテを見た初診の医師に言われるとは



「境界性パーソナリティ障害だと思うよ」



キョウカイセイパーソナリティーショウガイ


音として捉えたそれを


私はこれから追い続け


母の症状に悩むようになる



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