ガラス玉
朽ちた心
第1話幼少期
確か小学校最後の夏休みだった。
私はラムネを飲み干して、空になったラムネの瓶からガラス玉を取り出した。透明な玉は綺麗で輝いて見えた。
「これはね!ビー玉じゃなくってエー玉なんだよ!」
私は得意げに彼に説明した。
「なんでエー玉なんだ?」
彼の目はこのガラス玉のように輝いて見えた。私は得意げに答えただけで何も知らない。少し首を傾けてなんでエー玉というのだろうかと考えた。しかし答えは出なかった。
「んー。わかんない!」
「なんだよ!わかんないんかよ」
私は、彼が笑ってくれて嬉しかった。私も彼の笑いにつられて笑った。
「ねぇ。これあげるから付き合ってよ。」
そう言って彼は私にエー玉を差し出した。なんでいきなりそんなことを言ったのか、子供の私は少しも疑問に思わなかった。ただ嬉しかった。だって私も彼を好きだったから。
「うん。でも、交換にしよ。二つもいらないよ。」
私は照れくさい気持ちでそう言った。
ガラス玉 朽ちた心 @masa624
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