保存

保存したままの文章というのはいつになれば完成するのか、この「20歳」にももう十何個か完成されずに公開されない言葉達がいる。思いついた言葉を思いついた時に並べるのが僕の文章なら、不意に思いついた言葉を書き留められるタイミングに書き留められたものだけが誰かの元へ届くんだろう。だったら、こぼれ落ちてしまったものはどうすればいいのか、どこかに溜まっているのだろうか。もう二度と思い出すことのできない彼らは死んでしまったと言えるのか。


そういえば昔、思いついたアイデアをその一瞬のものではなく永遠のものにできればいいのにと思っていた。そうすればとても価値のあるものになるんじゃないかと思っていた。だけど今になって思えばそれこそが価値を失わせるものなのかもしれないし、もはやそんなものに価値なんて言葉は似合わないのかもしれない。

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