NANA鬼になる
この日は開店から混んでいた
ようやく店も終わり もうすぐ終電
疲れ果てた私は急いで駅へ
ホームに上がると人だかりが…
誰かホームで倒れてる様子
人だかりの中の誰かが叫んだ
「駅員さん呼んで!」
何気に見ながら通り過ぎると
はっ!!
う…うちの客だ
ど…どうしよう
店で結構飲んでたからすでに泥酔状態
何気に一旦通り過ぎて
人だかりの後ろの方から覗く
駅員さんが駆け付けた
「お客さん!どうしました?!大丈夫ですか!お客さん!」
と…気がついた客
「あぁ…人待ってるから…来るまでもう少し寝る!」
ハッ!
その言葉である事を思い出した
『NaNaチャン帰り一緒に帰ろう駅で待ってるから』
た…確かそんな事言ってたような
でもこの日は店混んでて
残業1時間半
そんなに待ってるはずもないし
私もすっかり忘れてた
そんな事言うお客沢山いるし
待ってた事なんてほとんどないし
でも…このお客様
本当に待っていた
駅のホームで寝ながらね
この人だかりの中…
「私の知り合いでーす」
なんて
入って行く勇気…
…ない…
…無理…
電車もうすぐ最終だし
帰る方向は一緒だけど
私は3つ先の駅で降りちゃうけど
お客様は更に30分位先の駅…
面倒見切れないよぉ
はいこの時
NaNaは
鬼になりました!!
私が介抱するよりも
男の駅員さんの方が力あるし
きっとタクシーに乗せてくれるか
何かしらやってくれるよね
あのまま放り出すなんて事しないよね
見なかった事にしよう
私はタクシーで帰った事にしよう
待ってくれていた
お客様を見捨てて
NaNaは電車に乗り込みました
動き出す電車の中から
サヨナラ
しました
ごめんね
でも無理だもん
後日
ちゃんと元気に店に来ましたよ
あの日の夜の事は一言も話しませんでした
バツが悪くて話せないか泥酔してて忘れてるのか?
でも無事で良かった!
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