キャサリンのど自慢大会に行く

某TV局の日曜お昼にやっている

素人のど自慢大会

ハガキ予選通過


「ねぇNaNaチャン聞いて

のど自慢大会ハガキ予選通過したの」


「今週末○○ホールで予選なの」


「舞台で歌って争うんだよ」


「どうしようなんか緊張してキタ―」

キャサリンチョイ興奮中


「ぁたし優勝しちゃったらどうしよう」


「スカウトされてプロデビュー?」


「ファンが店の外に行列作るかも」


キャサリン…

取りあえず…予選通過してから考えようか


その夜

携帯がなった

キャサリンからだ…


「もしもしNaNaチャン

熱出ちゃったぁ」

「キャサリン大丈夫?」

「明日の予選…声出なかったらどうしよう」


「蜂蜜とか飲んでさ

喉温めて薬も飲んで今日は早く寝てねっ大丈夫、明日下がってるよキャサリンガンバ」

「わかったぁ~」


「何度あるの?」

「8度3分ぅぅ薬飲んで寝るぅぅ」

そう言うと電話を切ったキャサリン


多分…

知恵熱だよ…キャサリン


翌朝電話が

「NaNaチャン熱下がったよ」

ホラネ

ヤッパ知恵熱だった


「でねNaNaチャンも予選見に来て~」

「いいけど…何歌うの?」

「夏木マリの絹の靴下」

「古っっっ!」

「あの番組はインパクトある歌の方が合格するんだって」


…キャサリン…

面白枠の特別賞狙いか?

ってか あの番組

生放送だよね…


いいのか日本放送協会

略して△HK

こんな女 生放送に出したら危険だぞ


予選会場に行くと

出場者の家族や応援団など結構見学に来ていた

司会者の進行と共に次々と歌っていく

皆さん本番さながらの熱唱


キャサリンまだかなぁ…

飽きちゃった

携帯ピコピコ遊んでいると…

「次は○○さ~ん」


おっ!

キャサリンだぁ


生足に黒のミニ

花柄のインナーに黒のレースのカーディガン

今にも転びそうな足取りで笑いながら舞台中央に

キャサリンでも少しは緊張するみたいだ


曲が流れた…

瞬間止まった

が またすぐに頭から曲が出た

予選は自分でカラオケテープを用意するのか?


曲が流れると

キャサリンは開いた右手を前に伸し

小指から順番に折っていく

カモォーン状態だ


ジャラランジャララン

「♪間違いはあのときうまれたぁ~」

「♪わたしはがまぁんできなぁいぃぃ~」


体をくねらせ

「我慢できなぁいぃぃ」

をアピール


と…

次の瞬間…一瞬止まる

どうしたキャサリン


「…」

「…」

「…」


どうやら…

歌詞…

すっ飛んだらしい…


少しの 間 の後…

「もぉ~いやぁぁぁ~」

キャサリンが叫ぶ…と同時にカーディガンを脱ぎだした


片手を上にあげ

カーディガンを

ブンブン振り回しながら

腰をクネクネくねらせ

舞台の端から端まで踊りだした


「♪わたしをダメにするぅぅ」


あっ…

叫んだんじゃなくて

所々思い出しながら歌ってたのね


完全にアドリブ状態

本当にダメじゃん(笑)


が お構いなしに

歌う踊るチャレンジャーキャサリン


司会者…唖然

ADらしき人達と会場は

爆笑


いや

失笑?


歌の途中で止められた

キャサリン

司会者が言う


「歌詞忘れちゃったのかな」


「あはは、だってカラオケと違って歌詞出ないんだもん」


結果は

もちろん

予選敗退



キャサリンのプロ歌手デビューの野望は

わずか30秒たらずで

終った…



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