第4話 ボーイミーツガール?
チィッ! いい加減落ち着け、
今は確認すべきことがいろいろあるだろう!
まずは状況整理、今俺はどこにいる?
キョロキョロと辺りを見回す。
森の真っ只中だ。周囲には女の子以外に人影はなく、建物や文明の跡のようなものもない。
何故、こんな場所に……思い出してみよう……。
……俺は山にピクニックしに来たんだっけ……そんなことしようと思った記憶全くないぞ……えーっと……!
……血だ。
ある場面を思い出した瞬間、悪寒を感じて身震いした。
トラックに撥ねられて死んだんだ……んで、自分のことを神とかいう変なジジイに異世界がどうのこうの――そうか、異世界!
もしあれが夢オチとかじゃないなら、俺は元の世界とは違う世界に来たはず……本当にそんなことあり得るのか? ただのどっかの山奥っていう可能性もありそうだが――。
座り込んだままの彼女を見やる。現実とは思えない綺麗な肌に、青色の髪。彼女からは確かにファンタジーに出てきそうな雰囲気を感じる。
彼女はこの世界の住人だろうか? この人に話を聞けば、ここが異世界かどうかわかるかもしれないが、とりあえず、初対面でいきなり質問をふっかけるのも失礼だと思うから名前を聞くことにする。
「俺の名前は渡辺 勝麻。君の名は?」
「私はマリンと申します。このまま起きないのかと心配しました。ご主人様が目覚めてくれて良かった」
……は? ご主人様? 俺のことか?
彼女はホッと胸を撫で下ろすと、立ち上がって俺の傍まで歩いてきた。
あの……顔が近いんですけど。キラキラした水色の瞳が真っ直ぐ俺を見ているんですけど。
「ど、どうしたの?」
何を思ったのかマリンが自らの額を俺の額に当ててきた。
え、な、なぁ!
心臓が爆発しそうになる。
「熱は無さそうですね……あれ? 熱くなってきました?」
そりゃ熱くなりますよ! ええ!
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