第2話

よしここまでわかってることをまとめてみよう。いや覚えてることと言うべきか?

・名前 山城ケイジ

・年齢 35歳

・職業 わからない

・家族 わからない

・頭痛の原因 なんかちょっと、こめかみがヌルッとしてる。怪我してるみたい。

・現在地 仰向けに寝転がった状態で天井を見ているが、その限りではアパートの一室のようだ。自分がすんでいるのかどうかはわからない。

・性格 あまりあせってないような気がする。楽観的なのかな?

こうしてみると殆どなにもわからない。まあ、もっとも気づいてから2~3分しか経っていないし、まだ寝転がったままだ。おいおい思い出すことも増えるだろう。

「さて、と」とりあえず起き上がれるか?上半身は?…下半身は?…

痛みはないけど左足に違和感があるな。

「よっ」声を出しながら取りあえず上半身だけ起こしてみた。

あれ?なんか左足に?絡みついてる?…

「あえっ!?」「なにこれ!」子供じゃん!!!「え?え?」「なんで?なんで?」

頭の怪我のことも記憶を失っていること自体もその驚きで一瞬のうちに吹き飛んだ。周りを見渡すも他に人の気配はない。どうにも生活感のない殺伐とした雰囲気のアパートの一室だ。それだけが見て取れた。

もう一度子供に目をやる。

年は2歳?いや3歳?子供の年齢なんかよくわからん。

かわいらしい顔はしてるようだが男の子のように見える。そしてこれ肝心!耳を澄ますと…寝息が聞こえる。とりあえず生きているようだ。良かった!

でもこの子誰?俺の子?そもそも俺結婚してるの?それとも…

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