赤頭巾忍者と人狼の魔女

ムネミツ

第1話 魔女は赤頭巾達を拾う

・・・・・・山が紅く燃えていた、季節は春だ紅葉ではない。


忍者集団『赤頭巾党』の本拠地である山と里が燃やされたのだ。

「・・・・・探せ、殺せ、頭領の娘と腹の子を!!女王陛下以外の王の血筋は

断たねばならん!!」


山狩りを指揮するのは黒き騎士ダース、炎が燃え盛る山の中で魔剣を振るい抵抗する赤い頭巾の忍達を切り捨てていく。


事の起こりはよくある政変、王の後添いとなった女王が世継ぎを生み我が子のみを

王とせんがため夫を殺し国を奪い王の妾を殺しだした。


王家に仕えてきた赤頭巾党の頭領の娘も妾の一人、その身に王の子を宿していた。


燃える里を抜け、赤い頭巾に包まれた赤子の入った籠を守りながら山を跳び

谷を越える一人の真紅の忍びあり。


名をフジキロー、赤子の伯父にして里一番の手練なり。

「・・・・・死なぬ、里の者達、妹、先王、全ての物に託されたのだ!!」


フジキローは、王を守る国の影であった憎きダースから王を守れず里も妹も

守れなかった彼は託された赤子だけは守り抜くべく逃げた!!


隣国まで逃げ延びたフジキローは、人狼の魔女が住む森に逃げ込んだ。


美しき人狼の魔女は、フジキローに恋をし彼を助けた。

「私を貴方の妻にしなさい、貴方のその子も拾ってあげる♪」

フジキローも己を助けた魔女を愛し、魔女を受け入れた。

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