live!・2

イ「ぬええ……なんだこれは」

フ「サーカス見てるちびっ子みてえな顔してんな

  普段は退屈で死にそうみてぇな顔してんのに」

イ「え、そんな顔してますか私」

フ「最近な 飯の時ぐらいだぜ、生き返るの」

フ「ま、そんな顔もできるなら一安心さ

  まだ死に切ってはねえってことだ」

イ「まあまだ死ぬわけにはいきませんから」

イ「で、これなんなんですか?

  フェゼさんが家で弾いてたのとも違う」

イ「モヌドには、笛や太鼓ぐらいしかなかったし

  みたことない形のものばっかりだ」

フ「極端に言えば、音が出るものは全部楽器だからな

  数え切れないくらいの種類がある」

イ「私にも弾けるの、あるかなあ……」

フ「まあ練習しないと難しいだろうな

  曲を覚えるところから始めなきゃならないし」

フ「ほら、あそこに本がいくつかおいてあるだろ?

  あれに曲の情報が載ってるから」

イ「んー……うう、何一つわかんないなあ」

フ「そりゃそうだよな いろいろ大変なんだぜ

  ケティには馬鹿にされるけどさ」

イ「先は長いですねぇ、はぁ……」

フ「あ、そうだ 自分で引かなくていい楽器もあるんだぜ」

イ「え、ほんとですか?」


(音・オルゴール)

フ「ほら、これなら自分で引かなくても

  勝手に曲を演奏してくれるだろ?」

イ「うん、それに……なんか落ち着く音だ」

フ「よし、買ってやるよそれ」

イ「いいんですか!?」

フ「ま、こんなことでしか先輩らしいことできねーし

  それに、同じ趣味の人間が増えてくれたほうが楽しいだろ」

イ「やったあ、大事にする!

  えーと、これとこれと……」

フ「待て待て、一個だよ一個!」

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