②④ <眼鏡型宇宙人>

 それが何であれ眼鏡という形である以上壊すなんてことがあってはならないので、わたしは一旦会長の眼鏡を机の上に置く。会長は眠っているようにうなだれたままピクリとも動きません。


「俺は瓶底銀河第1001番惑星であるガンキョウ星から来た眼鏡型宇宙人なんだ。ちなみに寄生型の眼鏡型宇宙人もいるけど俺は違うから安心してね?」

 一体この状態で何を安心しろというのでしょうか。

「1001番のガンキョウ星は移動用ポッドの開発がとても進んでいてね。見事な造形だろ?とってもお気に入り。眼鏡外せっていわれるところ以外は」

 それは最大級の不良品なのではないのでは?

「兎に角、本体はこっちだから」


 そう言いながら若干眼鏡が動いてツルの部分でカチカチと机を叩きます。両手で顔を覆っていると「あれ?なんで泣き出しそうなの?こんな最高の人とであっちゃったから?」と若干レンズの端を桃色に染めている眼鏡にわたしは普通の告白をされた方が何倍も幸せだっただろうかと自分の現状を呪うのでした。

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