②① <取りつく島もない>

「つまり恋人になってくれるってことにOKくれた訳じゃないの?」

「じゃないですね」


 生徒会長と向き合いながら、何故かいつもの癖で会長の眼鏡を磨くわたし。

 状況をやっと理解したらしい生徒会長は顔を抑えながら深いため息を吐きます。眼鏡がないと本当に絵になる顔をしているので少し申し訳ない気持ちになるけれど、わたしは眼鏡が似合う男性がタイプなのです。こんな眼鏡をすぐに汚すし、眼鏡の価値を下げる人とお付き合いするつもりは一ミクロンもありません。


「改めて告白しても駄目?」

「駄目ですね。ダメガネ」

「ダメガネ?!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る