第2章-4 ヘッドハンティング
久しぶりのノルマンディ邸には機械の匂いが無く、異世界にいることを強く感じさせられた。
「ようこそおいでくださいました。」
メイド長がスカートの端をつまんで礼をしてくれる。
まずは客室に案内された。残念ながら前の部屋ではなかった。
「お茶をお持ちいたしました」
お茶を持ってきてくれたのは姉だった。
「久しぶり」
「お久しぶりです。ユウ様」
久しぶりに会った姉は相変わらず痩せていて顔色もよろしく無い。
チラっと迅さんを見ると呆れたような怒っているような雰囲気を感じた。
元気してた?とは聞けないので、今時間ある?と一気に本題に持っていく
「ここの奴隷やめてうちの、俺の奴隷になる気ない」
姉は困ってるような迷ってるような微妙な顔をしている。
「ここよりはもう少しいい生活ができるよ」
「リロやシオンは、、3人を、3人とは離れられません」
「え、あ、いや、3人とものつもりなんだけど」
俺がモノを伝えるのが下手なのか姉が卑屈過ぎるのか。相変わらず俺と姉は噛み合わない。そんな事を思うと、ふと笑ってしまった。
「じゃあ付いてきてくれるってことでいいかな」
俺はそう告げ、リロとシオンちゃんにも伝えておいて欲しいこと、その3人以外には秘密にしておくことをお願いした。
姉が部屋を出ていくと迅さんに「どうするつもりだ」と尋ねられた。
「素直に売って欲しいと頼んでみようかと思ってます。」
「うまくいくと思うか」
心配になるのもしかたない。
「グラフルは現状の防衛状況に苦難してます。今、サクラサケとの関係を良くしておくことは大事だと考えているはずです。奴隷3人程度のわがままは聞いてくれるでしょう」
それに俺と迅さんの2人で交渉の場に現れたら俺が重役であると勘違いするだろう。媚を売りたいと考えてもおかしくない。
今の提案は迅さんのOKが貰えたのであとは俺が上手く話すだけだ。
あと緊張が顔に出てると迅さんに注意された。
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