鳴き続ける小鳥

 ペンギンです。

 今回はペンギンが友人から聞いた話を載せます。


 一羽の小鳥を友人は飼っています。

 ひしゃげ壊れたカゴで飼っているのです。

 隙間だらけで扉は壊れてしまっているのに、その小鳥はカゴから出てこないのだそうです。

 そして鳴くのです。鳴くだけなら小鳥なのだし不思議でもないでしょう。

 しかし、鳴き方がおかしいと友人は言うのです。どう、おかしいのかはペンギンには分かりません。

 なので、ペンギンは友人に直接尋ねました。

 そして、友人はペンギンの問い掛けに答えます。


 小鳥は元々つがいで飼っていました。

 当時はカゴもキレイな物で、よほど相性がいいのか二羽でずっと、さえずり続けていたとの事です。

 ある春の日の出来事。

 その日、友人は急な用事で外出する事になりました。鳥カゴを外に出したままで。

 その事に気が付いたのは陽も暮れようとしていた頃、自宅に友人が帰宅した時だったのです。

 慌てて鳥カゴを引き上げに外に出た友人は、その場で声をなくし立ち尽くしてしまいました。

 鳥カゴがめちゃくちゃに壊されていたのです。

 我に返った友人が見たのは、壊れたカゴの隅で小さく震えている一羽の小鳥の姿でした。

 もう一羽はどこへ。

 友人の心配をよそに、時間は無情に流れていきます。

 結局、もう一羽の小鳥が友人の元に戻る事はなかったのです。

 それからというもの、残った一羽が物悲しげに鳴き続けている。


 こういうお話です。


 いきなりですが主題になります。


 二羽の小鳥が住んでいました。

 すごく気が合うのか、どこへ行くのも二羽寄り添って飛んでいました。

 共に楽しい時を過ごし、このままの幸せが続くかと思った二羽に悲劇が起きました。

 巣で寄り添っていた二羽をカラスが襲撃したのです。

 二羽は散り散りになってしまいました。

 夕暮れ時、一羽の小鳥が巣に帰ります。

 待てども暮らせども、もう一羽は戻りません。

 小鳥が、さえずります。もう一羽が応えるのを夢見て。


 友人の話を聞いて、ペンギンが即興で作った短い物語です。

 伝聞から想像する事から、この物語は誕生しました。

 ペンギンの現在の心境も反映されているのかもしれません。


 長くなってしまったので、今回は終わりにしようと思います。

 お付き合い頂きありがとうございました。





























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