略奪された

@kenC

第1話 ヒト

―やめて

――うばわないで

―――なんで、どうして

そうか。これは運命とか言うんだな。

だったら仕方ない。そうなんだろ。


ヒトがいた。だれもが第一印象を「地味」と捉えるであろうしがない男の。

彼にも友はいた。いや、いた時期があるのか。ともかく彼はついていない。ツキがないのもそうだが、彼の友人はことごとくとして転校や引きこもりなどとして離れていくのだ。彼の言う所の「運命」はそれのあらわしである。

更に彼はいじめられていた。そこまで過激ではない。が、友人を失った消失感には痛いほど響いた。


ある日をして、彼の心は壊れたのだ。

皮肉にも、感情を殺してでも将来の為だと毎日毎日休みなく登校を続けたのが原因だ。


彼の意識は深く沈み、彼の体を離れ、電磁パルス何某云々を通り越してある場所にたどり着いた。

そう。「ジャパリパーク」だ。

この物語は彼の意識の記録になる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る