死の祈り

夜の香りがたちこめる石造りの浴室で

私は祈る


どうか私の生を実りのある、

高貴な、そして幸福に満ちたものにしてください

私たちは誰もが、いつかは死を迎えます

その時にはどうか、

苦しみのない、透きとおった、きれいに包装された

美しい死をお与えください


森に棲むフクロウの鳴き声が

浴槽にはられた冷たい水の表面にやさしく触れ

空気が揺らめく

夜の底で私は体を震わせ耳をすませる


美しい死がもし得られないのなら いっそのこと

どうか私のこのみじめな人生にけりをつけ

もだえ苦しむ私を地獄の業火によって焼き

あの冷たい夜風と共に山の向こうへとお送りください


もし今、絹のように白い死が

微笑みをたたえて私のもとに訪れたら

思わず受け入れてしまうかもしれないのだ

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