12 『春へ跳べ』
そのトラックの荷台の隅に乗せてくれないか
行けるところまで風を感じて町を出たいのだ
彼方の空は晴れているのにこの町は陰鬱に曇っている
陽気に歌って曇天をたたこうか、どんどん、どんどん
町は遠ざかり晴天がやってくるじゃないか
どんどん、どんどん、冬の纏いを脱ぎ捨てて
心よ羽化するように春へ跳べ
行けるところまで載せてくれ
今だけは載せてくれ
僕というお荷物が町を離れていく
あの坂を越え、この坂を越えて
ゆく先は晴れたり曇ったり
どこだって空の下だ
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