あおいろ

村むらさき

わたしとランドセル

 私の主張はひとつ。


 「青いランドセルが良い。」


 最近のランドセルはカラフルだな。

 お父さんのときみたいに、二色だけじゃないのか。

 好きなのを選びなさい、と言ったのは父。


 これになさい。と「女の子の色」のランドセルを持ってきたのは母。



 お人形セットのランドセルも父の言うとおり二色だった。

 女の子の色。男の子の色。

 そんなの、つまんない。


 私は、青が好きだもん。

 だから、だから、青が良いと主張した。



 おまえは、変わった子だなあと感心したように言う父。


 青?そんなの背負って行ったら笑われちゃうわよと言う母。



 「青のランドセルを選ぶと変なの?」



 変じゃないわよ?ねえ、でもねえ、お父さん、と母。


 変じゃないさ!でも、後悔するよ、なあ、お母さん、と父。



 後悔なんてするもんか。

 私が好きで青にするんだ。



 「じゃあ、どうして、青色のランドセル、売ってるの?」



 屁理屈ばっかり言わないの!これになさい、と母。


 これでいいな?と父。


 これじゃないと、「女の子の色」じゃないと買ってくれないことは分かった。

 つまんない。

 

 

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