救世





活撃を受け、横たわる男たち。


革靴が一歩一歩、タイルを踏み締め奥へと向かう。






その奥にあるのは、全て。


たった一人の少年。


その幼き両手を広げ

傷だらけの体を引きずり

男の前に立ちふさがる。




背後には子猫。

たった一匹の、小さな猫。




死なぬ。

決して、死なぬと広げられた大翼は

男を完膚なきまで叩きのめす。





勝てる訳がない。


人間は

とても。








優しい強い












優しくて人間なのだ。

そして優しければ、強いのだ。















倒れる紅を抱きとめる。




既に、男の目は覚めていた。





























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