妖精さん達と暮らそう

東郷 珠

第0話 プロローグ

 この世界は、不思議に満ちています。

 文明が進化し、科学が進歩して、宇宙に飛び立つ時代になっても、不思議な事は無くなったりしません。


 この世界に住むのは、人だけではありません。

 動物や虫に植物だけでもありません。 


 たぶん誰もが見えていないだけなんです。

 誰もが気が付いてないだけなんです。

 でも、そこには必ずいます。

 可愛い妖精さんの姿が。


 太陽が温かく、私達を包み込んでくれる様に。

 月が穏やかに、夜空を照らしてくれる様に。

 私達の傍には、良き隣人が居るんです。


 でも、なぜか人には見えません。

 居るのに誰にも気が付かれない、そんな悲しい事は無いんです。

 

 必死にアピールしても、人は気が付いてくれません。

 頑張って人の手助けをしても、やっぱり人は気が付いてくれません。

 どれだけ話しかけても、どれだけ笑いかけても、人は無反応です。

 

 でも妖精さん達は、いつか人と遊びたいと思ってました。

 妖精さん達は、いつか人とお話ししたいと思ってました。


 だから妖精の王様は、ず~っと探していました。

 自分達と、一緒に笑い合ってくれる人を。

 自分達と、一緒に泣いてくれる人を。

 何千年も何万年も、悠久の時間をかけて、探し続けていました。

 

 そして、妖精の王様はついに見つけました。

 虹色に輝く魂を持って、生まれて来た人を。

 自分達と、共に歩んでくれるだろう人を。


「ほう、この子なら。我らと共に居てくれるかもしれんな」


 これは妖精さんに愛された、女の子の物語です。

 女の子は妖精さんと一緒に、笑って楽しんで、時に頑張ります。


 可愛らしくてマイペースな妖精さん。

 寂しい時には、傍に居てくれます。

 でも、時に厳しい妖精さんは、少女と一緒に頑張ります。

 

 さぁ、妖精さんとの暮らし。

 始まり始まり。

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