第97話 懐かしい風景

 どこまでも続く緑の田園の中を

バスは走っていった。

 幼き日、好きになれなかった

田畑が、今は色鮮やかに映った。


「間違いなくここが、ボクの

 育った村なんだ!!」

 全てが懐かしく思えた。


 憧れていた東京で、何か、

得るモノがあったのだろうか。


 敏春は、過ぎ去っていく田園を

見つめ自分に問いかけた。

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