DogSelection!
槻木翔
第1ワン 日本中が驚きました
その日、日本は喧騒に包まれた。
これはある新聞の第一面からの抜粋である。
「世界初!犬の国会議員が誕生!」
先日開票された第100回衆議院議員選挙において世界初の犬の国会議員が誕生した。
当選したのは埼玉県に住むシェパードのジョン(3歳)、選挙管理委員会によると人間換算で28歳相当なので公職選挙法上の瑕疵は存在しないとのことだが、問題は年齢ではないと考えるのは筆者だけであろうか?国民的な議論が待たれている。
「犬が国会議員になる」、この事実に衝撃を受けたの筆者だけではなかった。
筆者は街の人々に「犬の国会議員についてどう思うか?」について尋ねた。
白髪の目立つ自称大企業の部長のサラリーマンはこういった。
『世も末だと思うよ。犬が国会議員なんて国の品格を疑われる』
スマホにプリクラのシールをべたべたと貼り機種の判別が難しくなっている女子高生はこういった。
『この犬超かわいい!可愛ければ何でもOK!』
今日も旦那を尻に敷く、百戦錬磨の大阪の奥様はこういった。
『誰がやっても変わらんやないの?』
最近婚活パーティーへの参加を検討し始めたアラフォーOLはこういった。
『よくわからないけど凛々しいわね。独身かしら?』
筆者が会社に向かおうとするOLに対してジョンとの結婚届を市役所が受理する可能性は極めて低いことを伝えると、OLは初めてジョンが犬であることに気づいたようだった。
このように人々の間では賛否が大きく分かれている。犬の選挙問題に詳しい専門家によると
『裁判の正当性を争って裁判になったとしても最高裁判所の判事の多くが犬を飼っていることで知られており、選挙結果は認められることになるでしょう』
とのことだ。
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