3-2


「ナコ、さっき、ケータイ取り上げられてたっつったよな」


 勉強机に置いたままだったスマートホンを手に取る。まだ繋がりが切れていないと主張するかのように鳴動していたものの即座に喜ぶ気分にはなれなかった。胸の中にあるのは単純な疑問だ。以前、アキが俺にメッセージを寄越したときはボイスレコーダーを使っていた。一週間程度で吹っ切れるような苦悩だったのだろうか。

 いや、と否定する。支配者というくびきはそれほど安いものではない。そのため、俺の困惑はいっそう倍増した。「だからこそ」と「だというのに」が頭の中で反響し、内心で評価を定めるには困難を要した。

 視線を向ける。すると、ナコは眉間に皺を寄せて頷いた。


「ああ、まあ、うん。それがどうかした?」

「アキもそうだったのか?」


 俺はスマートホンを掲げる。そこに表示されたアキの名前に、ナコも明確に表情を歪めた。アキも〈新聞同好会〉の管理下にあり、連絡手段を持っていないことを示す反応だった。同時に、それはつまり、今、電話をかけている人物が〈新聞同好会〉、ないしは政府の人間という証左でもある。

 しかしながら、迷ってはいられない。電話の内容はおそらく助力の申し出か濫用への警告かの二択だ。前者であるなら企みがあったとしても話を聞くことそのものにリスクはないし、後者であるならそれこそ〈命令〉を行使すればよい。俺はナコと頷きあった後、ゆっくりと息を吐き、電話を耳に当てた。


「もしもし」

 やや間が空く。「……久しぶり」アキの声だった。

「アキ、どうして」


 この期に及んで抽象的な質問しか投げかけられない自分がいやになる。あれほど苦しんでいたのにどうして連絡してきてくれたのか、だとか、どうして今連絡できているのか、だとか、それらの質問すら明確に言葉にできず、また、その他に言うべき何かすら喉から出てこなかった。


「実はさ、まだケイスケの声を聞くのは怖いんだ」

「なに」言ってんだよ、と訝る前に言葉が続く。

「だけど、自分の口で伝えなきゃいけないと思って、録音したんだ」


 困惑が弾けると同時に、「ねえ」と聞こえる。ナコが「アキくんなの?」といつの間にか近寄ってきており、俺はスピーカーホンに切り替える。

 そこでアキは声に諦観じみた寂しさを忍ばせた。


「こういうとき悪戯するのが僕だと思ってさ、今、大崎さんがボイスレコーダーをケータイに当ててるよ。驚いた?」

「くだらねえことするなよ」


 返事などないと知りながら、俺は抗議を投げつける。呆れたものか、喜んだものか、どうにも判断がつかない。少なくともアキの声色からは「自分」を振る舞っているような感触が読み取れ、楽観的に怒ったり笑ったりするにはどうにも難しかった。

 押し殺したかのような笑い声が挿まれる。俺の反応を予測していたのか、アキは「ごめん」と声のトーンを落とし、続けた。


「ケイスケが宇宙人たちを救おうとしてるって大崎さんから聞いてさ、もし、それが本気なら僕も手伝わなきゃって思ったんだ。引き継ぎみたいなものかな。たださ、これ、大崎さん以外の人には無断でやってて、あんまり時間が取れないから手短に言うね」


 誰も彼も、時間がない、ばかりだ。宇宙人もアキも、もっと俺のために時間を割いてくれてもいいのに。そう思わないでもなかったが、背負っているリスクを重々承知しているため、俺は口を噤む。今できるのは一言一句聞き逃さないように努めることだけだった。


「ここからはケイスケがある程度僕と同じ考えに至った前提で進めるね。ケイスケのほうが情報が多いだろうから違和感があったらごめん。でも、まあ、最悪〈命令〉を使うってことだけ一致してればいいや」

「時間がないんじゃねえのかよ」


 アキの悪い癖だ。前置きばかりが長くて、本題になかなか入ろうとしない。焦れったくて急かすと、俺の諫言は時間を飛び越えて、アキへと届いた。


「ごめん、さっさと続けるね。まず、ファイルにない僕の〈命令〉に関してはこのケータイにまとめてある。大崎さんが届けてくれるから、よかったら参考にしてよ。で、本題。もしこれから僕の言うことの意味がわからなければ、大崎さんたちの持ってる資料を確認して欲しい。ナコが僕との会話を全部メモしてるはずだからさ」


 ナコに目を向けるが、反応はない。キーボードに手を置いていたものの指は固まったままで、ナコ自身、アキの言葉の先に気を取られているようだった。


「ケイスケ、今までの支配者はたくさん情報を残してるんだ。ヴィカス・クマールの件は前に話したよね。ワン・シウヂエの〈命令〉は有名だから省こう。アメリア・スミスは……ちょっと微妙かな。僕にとって彼女の〈命令〉はそんなに有意義じゃなかった」


 アキはどんどん早口になっている。この会話にすらならない言葉のやりとりが終わりへと近づいていることを悟らせるには十分な変化だった。


「たぶん……重要なのは対象と内容なんだ。権限を剥奪されたとき、宇宙人は言ってたよ、僕の〈命令〉はなかなかにいいとこを突いてたって。ヴィカス・クマールと同じかそれよりもよかったって。あいつら、お世辞も言うのかなあ」


 余韻だけを残し、別れの合図もない。再生が終了したと気がついたのは大崎の声が聞こえたからだった。未だアキのアドバイスの名残が漂っている俺の部屋に、大崎の低い声が落下するように響いた。


「以上だ。これからこの携帯電話を届けに行くが、いいか?」

「……俺からも頼むよ、大崎さん」

「ついでに大崎先輩も会議に参加したら?」

 安穏としたナコの提案に、大崎は一瞬、沈黙する。それから探るかのような慎重な調子で訊ねてきた。「横谷、なぜお前がそこにいる」

「今日、半休取ったんですよ」

「そういう意味では」


 ない、と言い切る前に俺は遮る。


「大崎さん、ちょっと言うこと聞いてくれよ」

「……なんだ?」

「作戦会議に参加してくれよ。三人寄れば、っても言うしさ。何より俺が今まで会った中で大崎さんがいちばん宇宙人に近い」


 大きな嘆息が聞こえた。それだけで了承の意を示したつもりらしく、電話が切れる。俺は鼻で笑い、肩を竦めたが、ナコは眉間に皺を寄せていた。


「ねえ、ケイちゃん、今〈命令〉使った?」

「さあ?」


 下手なはぐらかし方はむしろ強固な回答拒否となる。ナコはそれ以上の追求を諦め、すぐに話題を変えた。


「それにしてもさ、大崎先輩が宇宙人に近いってどういうこと? 無表情とかそういう意味ならわかるけど」

「そのとおり」と言うだけでは呆れられるだけに思え、俺は理由を付け足す。「あとは合理性とかだな。あの人、常識人だろ? そういう人も混ぜたほうが視点が増えるし」

「常識人かなあ」


 普段の付き合いの中では納得しかねる行動があったに違いない。ナコは腕を組み、顔を顰め、俺の印象を暗に否定した。もちろん俺だって大崎がマナーやルールを完璧に守ったり、鋭い観察眼で空気を読んだり、そんな人間だとは考えていない。スーツでキャンプ場に訪れるような男なのだ、行動そのものは「一般」から外れていると言ってもいいだろう。だが、大崎はそれをあえてやっている。と、俺は信じていた。常識を持ち合わせた上での逸脱だ。少なくとも俺にはない視点を持っているし、ナコとも違う性格であるのは確かだった。


「まあ、大崎先輩が来るまでは休憩にしようか。お腹も減ったし」

「そうだな」

「……ねえ、ケイちゃん、アキくんのあれ、わざとだよね」

「決まってんだろ」


 時間がない、とは言っていたが、アキなら自分の考えを簡潔にまとめて明言できただろう。だが、そうしなかった。理由は簡単だ。

 アキは答えを授けない。

 ぽんと投げ与えられた答えではいずれ迷いが出ると知っているからだ。自分が、あるいは、自分たちが考え抜いて辿りついた真実こそが背中を押す。宇宙人の無理難題をこなすには、どれだけちゃちな理由から発生したものでも、実行に踏み切る勇気が必要だった。


        ◇


 食事を取り終わっても大崎が姿を現す気配はなく、俺たちは先にアキの発言をざっと洗うことにした。ナコのパソコンには〈新聞同好会〉が記録したアキの言動が残っている。それこそ〈新聞同好会〉と接触した日から今まですべてだ。最初はボイスレコーダーなどを用いていたのだろう、事細かに記されていたが、ある日を境に箇条書きめいたものに変わっていた。アキが盗聴器などの設置を禁じたからだった。


 頭の部分に目を通しただけで、失われた日々が克明に記されているとわかる。アキの苦悩と、俺の記憶の改竄。だが、俺はその部分を読むのは後に回した。怖かったという理由もあるし、ナコの忠告も理由の一つにあった。「役に立つような記述はたぶんないし、気分のいいものではないよ」。意義の有無は改めて確認すべきではあるものの勢いを衰えさせるべきではない。俺たちは検索範囲をアキが世直しの発言をしたあたりからの日付に指定し、検索ボックスに文字を打ち込んだ。

 調べたのは今までの支配者、とりわけ、ヴィカス・クマールに関するものだった。前にアキが話したという話題がどうにも思い出せなかったからだ。


「結構あるね、ヴィカス・クマールの話題。アキくん、なんか変なこと言ってたっけ」

「あいつは変なことしか言ってねえよ。でも、とにかく〈命令〉に関する話題だ」

「まあ、それっぽいの探してみようか」


 とはいうものの、画面はいくつもの項目で埋め尽くされている。ナコは呻き声を漏らし、俺自身も少し辟易した。抽出された文字の前後には掻い摘ままれた内容が書かれていたが、大抵が取るに足らないものばかりだった。


「しかし、箇条書きばっかりだな。これなんか、『ヴィカス・クマールの話をする』しか書いてねえぞ。どうなってんだよ、〈新聞同好会〉は」

「ごめん」

「いや、責めてるつもりはねえけどさ……っていうかなんでナコが謝るんだよ」

「ほら、あたしが盗聴器役だったからさ……あ、これかな」


 スクロールが繰り返されていた画面は止まり、俺とナコが初めて会った日の項目に移動していた。アキの部屋でした作戦会議での一幕だ。やはり箇条書きではあったが、気になる一文が表示されていた。


「ヴィカス・クマール 条件付加命令の穴、抜け道とは」


 記憶が徐々に甦っていく。アキが「日本に悪戯を仕掛けよう」と言い、俺が不安になった下りだ。そこでアキは「ヴィカス・クマールが自己防衛のために行った〈命令〉には抜け道がある」と言った。「その気になれば塞げる」とも。


「なんかさ、気になったんだよね」ナコの口調は闇の中を手探りで進むようなものだった。「ヴィカス・クマールってめちゃくちゃ頭のいい人だったの」

「ああ、インド工科大だろ? すげえ大学だとはどっかで」

「そうそう、IIT。でもさ、だからこそおかしいんだよね」

「だから、何がだよ? システムエンジニアが政治に興味を持ったってことか?」

「いや、それはあり得なくはないよ。使命感と欲望はどっちも熱病みたいなものだし。そうじゃなくて、システムエンジニアなのに条件付加命令の穴に気付かないかなあ、ってさ。機械と人間に違いがあるって言っても本職でしょ?」


 じわじわと違和感が忍び寄ってくる感触がある。ヴィカス・クマールの〈命令〉を思い出そうとしたところでナコは画面に彼の資料を表示させた。


「インドは銃社会でさ、結構な人が銃を持ってるんだよね。だからヴィカス・クマールが自己防衛のために〈命令〉を使うのは自然なんだ。で、彼がした〈命令〉は三つ。ヴィカス・クマールに――」


 危害を加えてはならない。

 危害を加えるための話し合いをしてはならない。

 認められた者以外は武器を所持した状態でその射程内に近づいてはならない。


 このうち、条件付加命令は三番目だけであるが、俺にはすぐにその穴を見つけることはできなかった。行動と準備を抑制する〈命令〉としてはどれも真っ当だ。


「何がおかしいんだよ、支配者に与えられてる〈命令〉じゃ殺意そのものはいじれないんだからこのくらいしかできなくねえか?」

「それは実行犯の身を案じた前提の話だよ。現にヴィカス・クマールの件もそうだった。実行犯の少年はアタッシュケースの中身を知らずに近づき、その場で銃を手にしてヴィカス・クマールを撃ち殺した。ケイちゃんも支配者に関して調べてたから知ってるでしょ」


 確かに、インターネットに記述されている範囲内ではあるものの、俺は支配者に関する情報を調べていた。だからもちろん、ヴィカス・クマールの最期についても知っている。

 だが、どれだけ思い返そうとしても一つ、重要な部分がぼやけている。実行犯である少年がその先どうなったか、どうにも思い出せない。〈命令〉の拒否を続けると従属衝動に陥るはずで、それでは第一項目の〈命令〉に妨げられて暗殺は実行できないではないか。

 それを訊ねるとナコは一瞬呆気にとられ、それから、顔を渋くした。


「……もしかしたら、記憶改変の弊害かもね。今、ここで言ってもケイちゃんには認識されない可能性もあるけど」

「そのときはそのときだ」

「そうだね、伝えてみよう」ナコは頷き、実行犯の最期を告げる。「〈命令〉の作用で死んじゃったんだよ。人間の身体ってのは脆くて、自分の作り出した毒にも量によっては対抗できなかったりする。拒否じゃなくて違反だからってこともあるのかもしれないけど」


 だから、ケイちゃんの例までは〈命令〉の拒否は死に直結すると考えられてたんだ。


 俺はナコの言葉をしっかりと聞き取り、その意味を理解し、そして溜息を吐いた。安堵からではない。〈命令〉の重さを再認識したからだった。

 つまり、と俺は話を先に進める。


「つまり、実行犯の安否を気にせず、条件に反しなければ暗殺が可能だったってことか。でも、なんでそいつはヴィカス・クマールを撃ったんだ?」

「そこはオズワルドと同じだよ、ケネディ暗殺の。実行犯が死んだからわからない。でも周辺状況の調査によれば少年はマフィアと繋がりがあったなんても言われてる。もし暴力を振るわれた挙げ句、ヴィカス・クマールへの呪詛を繰り返し聞かされてたら従属衝動と同等の恐怖を感じててもおかしくないよね。催眠術説もあったけど、こっちは眉唾」

「だな」


 俺は頷き、話を戻す。


「でも、大事なのはなんでそんな穴があったか、ってことだよな。ヴィカス・クマールなら予測も不可能じゃなかったはずなのに」

「うん。ただ、こう情報を揃えてみると、邪推はできる」

「邪推って」

「もしかしたら、ヴィカス・クマールは自分の死すら宇宙人を救うために必要と考えてたんじゃないかな。だからわざと〈命令〉に抜け道を作った」

「どういうことだよ」

「つまりさ、ケイちゃんと同じ結論に辿りついてさ、別の感情が宇宙人を救う鍵だって判断したんじゃないかな、って」


 ナコの導き出した解答に俺は黙る。

 机上の空論、だ。言葉を借りるなら、砂上の楼閣、と言ってもいい。

 だが、俺はナコの推測を安易に否定することはできなかった。俺には初代支配者の心理など理解できるはずもない。異国の、俺よりもずっと頭のいい大人なのだ。価値観が同一であるほうがむしろ違和感がある。自分の命を擲ってでも宇宙人を救う、という考えを嘲笑しようとは思えなかった。


「でも」とナコは自分の推理に疑問を口にする。「なんでヴィカス・クマールがその結論に至ったかがわからないよね。死んじゃった以上、宇宙人からどんな情報を開示されてたのか、もうどうやっても調べられないし」

「そうか?」


 俺がそう返した瞬間、ナコは呆けた表情で固まった。同意や共感を期待していたのだろう、空白の時間が流れ、それからようやくナコは「ああ」と唸った。


「そっか、宇宙人に聞けばいいのか」

「その方法もあるけど、必要ねえと思う」

「え」

「宇宙人は情報を小出しにする。ってことはどっちにしたって俺以上の情報を持ってたってことはないだろ? その中でも絶対にしてる話がある」


 おそらく宇宙人との面会はおおよその流れが決まっている。最初の召喚で任命が伝えられ、二度目でいくつかの説明をされる。これに関してはほとんど確信を持っていた。

 なぜなら、俺を含めてすべての支配者が例外なく拒絶期の心理的状況に至っているらしいからだ。あるいは、宇宙人が築いた倫理観という基準の下でその過程を期待されている、という可能性もある。とにかく、俺たち支配者は〈命令〉に対して一度は嫌悪感を示している。

 だが、一方で宇宙人の大目的は自らを含めた同胞たちの救済だ。〈命令〉に拒否感を抱く支配者を放置し、手をこまねいているはずはなかった。


「間違いなく、あいつらはロバート・プルチックの話を全員にしてるんだよ。もしかしたら別の人の、別の説を出したかもしれねえけど、あいつらは絶対に感情の話は避けない。避けるわけがない」


 俺はかたわらに置かれた殴り書きの束をいくつか捲り、角が折られている紙を取り出す。ヴィカス・クマールの真意については辿り着けていなかったものの、支配者に与えられた情報量については考察を重ねていたため、ナコの疑問には既に答えめいたものを導き出していた。


「あいつらが言ってなきゃおかしいことはまだある。たとえば『救え』って依頼もそうだろ? それがなきゃ支配者を選出する意味がない。あと、どれだけ大雑把でも〈命令〉のシステムに関する説明はされてる。支配者以外にも伝えられてるんだから」

「なるほどね……」


 言葉には出さなかったが、おそらく、俺とナコが持っているヴィカス・クマールへの評価は一致していた。乏しい情報しかないにも関わらず、彼は一年半前の時点で俺たちとほぼ同様の結論に至っていた。「感情のフィルタ」という根幹さえあれば解決していた可能性もあるようにすら思えた。

 では、彼が求めた感情とは何だったのだろう。

 その疑問の答えを持ってきたかのように、インターフォンが鳴った。

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