第六話 逮捕?!
女の子はカードをプレートに置き、手をかざした。
「お名前の確認をいたしますね。 ええと。」
受付のお姉さんはとても驚いた顔をして固まっている。故障でも起こしたのかと思ったがそうではなかったようだ。
「シャープ=ビオラ・レイ。って王族の方じゃないですか!?」
その一言でギルド中がざわざわしだした。まさかここに王族の人がいるなんて。僕も驚いた。まさかそんな人といたなんて。
「しかもビオラ・レイ様って誘拐されて世界中に捜索が出ていたお方じゃないですか! どうしてそんな方がここに」
「私は小屋に取り残されてこのお兄さんたちが街に連れて行ってお父様たちを探してくれるというのでここにいます」
「なるほど。では、皆様いったん警察署へ行っていただけますか? 状況的にあなた方は誘拐犯扱いになってしまいますので」
「え? 俺たち英雄にでもなれるの」
さすが山田、だから出会う前に嫌な予感がしたんだよな。しかし、まあ異世界に飛ばされさっそく逮捕ですか。こんな世界じゃなくて早く日本に帰りたーい!
その後、僕はおとなしくしていたので手錠は運良くされなかったのだが、残りの二人と言えば暴れてしまい手錠をされている。
警察はまず僕から事情聴取を始めた。僕は今までにあったことを正直に伝えた。
「二ホンとやら場所から来たのか。聞いたことないな。しかし、どうやら誘拐したわけではないのか。しかし、あの二人は怪しいからな。お前だけは釈放してやろう」
「あの、残りの二人も態度は悪いんですけど僕の大切な仲間でいいやつなんです。何とかしていただけませんかね?」
「一応話もお聞きしたいので、事情聴取を行ってから検討していきたいと思うので明日また来てください」
そういわれ、僕は一人ホテルに帰ることにした。あいにく、お金も特に持っていないので食べ物を買うことも出来ず、お腹がぺこぺこだった。夜の街もとても賑わっていたが、仲間といられないのはなんだか悲しかった。
部屋に戻るとさっき山田の言っていたポーションすらおいしそうに見えてきた。
話す相手もいないのですぐにベッドで寝てしまった。
目が覚めたらすぐに警察署へと向かおう。
「すいません。昨日捕まったものです」
「昨日のお方ですね。奥で所長が待っています。こちらへどうぞ」
僕は所長室へと案内された。まさか、異世界で警察に捕まったうえで警察所長の部屋に案内されるなんって思ってもいなかったが、部屋に入ると捕まっていた二人が飛びついてきた。わーぎゃー叫んでいたが二人同時に言われて分かるわけがない。二人を払いのけ警察署長へ頭を下げた。
「昨日は迷惑をかけてしまいましたね。私は警察署長のロン・エルビットと申します。今回はこの二人の回収と王都への召還についてなのですが」
その話を聞いてなにかぶっ飛んでいたので理解が追いつかなかった。王都への召還? まじですか。
「え? 僕なんかがなぜ?」
「もちろん国王の娘様をお救いになったからですよ。いやぁ偶然とは言えども凄いことですよ。楽しみにしていて大丈夫だと思います。皆様の準備がよろしければ王都へ出発いたしますが大丈夫でしょうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます