囚われの魔王 和泉ユウキ様

 今日は読んだのはこれで五作目ですか。


 流石にもう脳とか限界です。ゲームすら出来ないです。


 それでも、なんとか読みきれました。


 それじゃあ一丁語りますか。



















 囚われの魔王 和泉ユウキ様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884512738


 なんだかんだで普通くじ。















 かつて人類を滅ぼそうと目論んだ魔王は、勇者によって打ち倒された。


 それから幾年もの年月は、勇者と魔王による血塗られた歴史となった。


 長年の鍔迫り合いが繰り返される中、史上例をみない協定が交わされた。


 勇魔不戦条約。


 互いを仇として相対していた勇者と魔王が、なんと戦うことを放棄し、共生への道を歩みだしたのだ。


 多くの反対勢力の抵抗があろうとも、勇者と魔王は不戦を貫いた。


 しかし、優しすぎる勇者と魔王は


 悲劇から8年、先代勇者の息子であるクリスは、お供である幼馴染の二人を連れて、魔王の治める国へと辿り着いた。


 鮮烈で過激な戦闘を覚悟した勇者一行。


 しかし、勇者一向に与えられたのは、


 先代魔王の娘であるクレスからの温かな歓待だった。


















 始めの印象は、ああこのパターンかと思いました。


 勇者と魔王は宿命づけられた相対するような存在。そう認識していますけれども、昨今の傾向ではそうとも限らないですからね。


 魔王が勇者ラブのパターン。こういった物語も増えてきたように思います。


 あまり新鮮な印象のないまま読み進めていると、魔族の国は人類の国と変わらないような様相でした。


 美しく整えられた噴水。笑顔を囲み走り回る子供たち。買い物に勤しみ、出会った友人と歓談を交わす住人たち。


 そして勇者がやってきたというのに、街の住人は勇者のことをとても慕っています。


 おやおや、敵地なのに勇者に対して人当たりがいいのは不思議ですね。これも無邪気で可愛らしいクレスが勇者のことを尊敬し、住人たちにも勇者の素晴らしさを説いて回っている事情からでした。


 少しネタバレに触れますが、勇者アリスの父親は殺されています。展開的にはまあ誰に殺されたのかは想像がつくのですが、憎しみと現実とのギャップに、アリスは悩み心を揺らします。


 丁寧に語られる心の葛藤は、やっぱり物語の醍醐味と言えますね。








 文章はお上手だと思います。そんなにストレスなく読めました。それだけでも素晴らしいです。


 そしてこの物語で優れているなあと感じたのは、勇者と魔王という対比の中で、類似的な境遇ですよね。


 散らされた謎を丁寧に紐解いていく構成だと感じたので、読めば読むほど物語の内容は理解できます。そのバランス、謎を明かすタイミングなどは適切であると思います。違和感なく胸に落ちました。


 基本的にアリスにきちんとスポットを当てているところが特にいいです。当たり前のようで、物語の奥行きを広げようと色んなところに飛んでしまうと、それだけで理解がしにくくなるのですから。


 さりげない伏線も多くて、全部に気づけたわけではないですが、気になっていた部分は解消されました。


 展開は正直大体の想像通りであるところも良いんです。こうなるだろうという期待って、ある程度は満たされないとついていけないからです。

 どんでん返しが続くと、時に嘘くさすぎて受け入れ難いのです。


 言ってしまえば王道を行く展開。でも王道を力を持って描けているから、いいと思ったんです。













 勇者と魔王の物語って、日帰りファンタジーで書いたなあって思いながら読んでいたので、始めはこの物語にハマれるかどうか不安でした。勇者と魔王が手を取って平和を手に入れて欲しいという思いが共通にあるので、余計に意識してしまいます。


 似たようなテーマを描いている方の話って、気になりませんか?(なるって言ってください)


 で、結論です。


 めっちゃ良かった。


 勇者と魔王の相互関係は可愛らしく、先代の勇者魔王同士はとても友好的で、とても心地が良い。


 もう言っちゃいますけど勇者には心の葛藤があります。父を殺した魔族への恨み。けれども完全には憎みきれない中途半端な心。


 この王道のテーマとも言える人間らしさ。最後は吹っ切れるとわかっていても、その過程は絶対に必要なのです。


 勇者様大好きなクレスにも、当然葛藤があります。


 時折態度がおかしくて、ん? ってなって、物語が進んでいくにつれて違和感が顔を出しむむむ? と引き摺り込まれていく。


 ぶっちゃけ企画じゃなければ、面白いところに辿り着くまでは読んでいなかったかもしれないという思いはありますが、中盤前ぐらいからグイグイと引き込まれました。


 愛憎のバランスが絶妙で、過去に起きた悲劇が紐解かれていくにつれて、物語とともに見ているこちらの心も加速していきます。


 そして辿り着いた新たなる一歩。


 悔しいくらいにお見事でした。


 ええ、勇者と魔王の物語をかつて考えた私も、納得の力作でした。


 ありがとうございました。



















 7119000(超呪700万!……)















 これ800万いくんじゃねーの(恐怖)。


 いやあでもとても良かったです。


 思わず、書くまい書くまいと思っていた、はい魔王の続編の話を思い出しました。


 それどころか固まりきっていなかった設定が浮かんできたんだから恐ろしいです。


 こうした物語に触れることで発生する相互作用って、本当にためになりますね。


 うん、うっかり書いてしまいそう。


















 ジャズテイストで行こう! かがみ透様


 ここにきて物言わずに応援を頂いていたかがみ様にも出会えましたね。


 そしてまだまだ長編がありましたね楽しみです(吐血)。


 異世界系が続いた中、少し異色な物語っぽいですね。


 読み進めます。
















 次回予告


















 がんばった翌日は大抵失速する(多分マジな次回予告)


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