女剣士・小夏−ポルポト財宝の略奪 泰田ゆうじ様
死ぬかと思ったら生きてました。
いやーまさか世界を救うためのキーカードが、あの子の胸の谷間に挟まれているとは思いませんでした。
聖剣を引き抜くかのごとき神聖な行為だったのですが、取る時の反応はまるで中学生のようでした。きっと顔は真っ赤であわわわわ。
あの、予告は基本適当でございます(耐えられなくなった)。
死ぬと言って死なないのはよくあることです。マクロスのバサラしかり、城之内くんしかり。
女剣士・小夏−ポルポト財宝の略奪 泰田ゆうじ様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885219178
相変わらず関係のない話からスタートするので、時たま作品に対して申し訳なく思います(常に思え)。
今回電車の中で読んで書いていることと、初回ということで感想くじなしです。普通の感想でいきます。
ちなみにくじの割合は
普通:6 甘口:2 特殊:2
でいきます。
特殊感想はちょっとキャラものだと考えて頂ければと思います。
例えばツンデレ、オレ様、熱血、漆黒の堕天使、ゴリラ
そんな感じで、まあ期待しないでください。本当に(必死)。
さて、ジャンルとしては伝奇物に指定されているので、歴史の変遷をなぞりつつ女剣士小夏がバッタバッタと敵をなぎ倒していくような爽快な物語を想像していました。
貧困スタートでした。
貧困に喘ぐ家庭スタートでしたー(無邪気に)。
重っ!
予想外ということは、いい効果もありますし思いがけない印象も与えます。効果的だったかは、今はなんともですが期待は裏切られました。
米すら満足に買えず父親は亡くなり、母親はガン末期でロクに動けないらしく、生活保護を受給してなんとか食いつないでいる貧困家庭スタート。
よーしおじさんもう読むの辛いぞー。
しかし生活保護であれば医療費は保険外でなければ無料のはずで、担当のケースワーカーもついているので、子供たちの今後の処遇についての対応を考えていなければならないと思います。何をやっているのか←職業柄。
いや、時代背景的に80年代がこのタイミングでの舞台なので、今とは様相が違っていたのでしょうね。そう思いましょう。
そしてピロローグが終わればタイトルやあらすじにもなっているカンボジアから日本に来たサヤが謎の男に襲われ、それを成人した小夏が助けるという王道展開。
助けたサヤからカンボジアのポルポト政権の思想や行われた歴史の変遷を教わります。
最初の貧困家庭の舞台は広島で、原爆被害について触れていて、それから21年後のメイン舞台ではカンボジアの悲劇について語られているところは、作者様がきちんとした事前調査を行なっている様が見受けられます。勉強になります。
まだ13000字ちょっとの序盤も序盤なので、まだ語るところが少ないことをとても残念に思います。
悲劇を中心に社会のあり方を考えさせられる、社会派と言われるような側面を持った物語であることは明らかに思います。
かぶっていた猫はいなくなりました。
最初なのでよーし良いことだけ書いて最初の印象は良くしようというゲスい目論見は崩れました。我慢できなかった。
どうしても気になる点が見受けられます。
キャラクターの心情を現す表現に、文学的な難解とまではいかない硬くてカッコ良さそうな単語使いが見受けられるのですが、たまになんだか読み辛いなーと感じました。
おそらく、過剰装飾なんだと思われます。
本文からの抜粋はやりすぎなディスりになってもいけないので今回はやりませんが、普段の文章は淡々としているのに、キャラの描写や心情を現すかのような心情描写で突然硬派めいた言葉が出てきます。
その流れ自体はいいのです。文章に緩急をつけることもテクニックだと思いますので。
ただ、シンプルなシャツに簡素なジーンズ姿のお姉さんだったのが、指輪はジャラジャラでネックレスは金銀パールな豪奢マダムが出てきた印象です。
あらマダム今日はおでかけ?
ええ、ちょっと言葉のパーティ会場までおほほほほ。
言葉のパーティ会場ってなんやねん。
読めないけど死ぬほど怖い漢字とか出てくるんかい。
まあギャップが強すぎると多少の違和感が……というだけのお話です。
あまり内容と関係ないのですが、このお話を読ませて頂いて、舞城王太郎先生の『ソマリアサッチアスウィートハート』という短編小説を思い出しました。
実在するソマリアという国と同じ名前を持つ少女は、とにかく悲惨な境遇にさらされます。実際のソマリアの暗喩であり、ソマリア(少女)は社会的弱者の象徴なのです。
ソマリアはもうとにかく悲惨です。クソ変態の叔父に殴られる蹴られるはまだ良い方で、犯されるわくそを喰われるわなどもう読んでて辛い辛い。
うっかり主人公の彼女に教室で殺されたソマリアは、なぜか主人公と幻想のようなソマリアの光景で出会い(夢の中だったかな)すると何故かソマリアが生き返ったのです。
しかしその奇跡は決していいことだけじゃなくて、生き返ったことで叔父の暴力性と変態性は加速していくのです。
救いがないように胸を抉られて終わる話なのですが、それでも希望を見出す心の変わりを、もし興味があればご覧ください。少なくともこの奇妙な出来事でソマリアには味方ができたわけで、ソマリアのために少しでも何かをしてあげる心が生まれたのですから。
それは希望と言えるのかもしれません。
そしてもう一つ印象的なシーン。
主人公の彼女はうっかりソマリアを殺してしまうことで、クラスメイト達は彼女が逮捕されてしまうと思い、その前にある行動をとります。
逮捕される前に、ヤらせろ。
ゲスいぜ。
でもこの出来事って、何かに似てませんか?
悪者になった彼女には何をしてもいいという考え、今の日本人が持ち合わせているように思います。
不倫した芸能人叩きも、オリンピックなどでメダルを取れなかった選手に浴びせる罵声も。
なんだか重なるように思います。敗者や弱者や転落者に対する大衆のあり方。その恐ろしさを感じました。
まあ長々と何が言いたかったかと言いますと、たまにはこういったかんがえさせられる内容を孕んだ小説も読みたいなーという話です。
完結したらこっそり読みに行こうかなとぼんやり思っているくらいです(堂々と見にいけ)。
なんだか最初なのにいやに真面目でびっくりです。
よーし次はふざけられる作品を当てるぞー(そういう趣旨ではない)。
えっと次の作品は……
参る(ごめんなさい漢字は感想文で直します)
県バーン様
ふむふむ、ざっくり言うと中学生の駅伝走者の話なんですね。
父の病で光を失ったというところが争点なんですね。
楽しみですけど、あまりふざけられそうじゃないですね←基準。
何はともあれ読み進めてまた感想を書きますね。
その前に仕事だがな(慟哭)。
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