作品紹介例 月堕とすキツネと月ウサギ

 前回は初めての試みとあって、自作の紹介文を作ることもノリノリだったのですが、現在はだいぶ時間が経っております。


 男子三日会わざれば刮目してみよ(うろ覚え)というように、男の子は三日あれば見違えるような成長をしているというものです。

 ちなみに女子は一日会わなければ、女になっている……という言葉はどうですか?


 流行らないですかそうですか←そりゃそうだ。


 ともあれ、前回の企画から三ヶ月くらい経っていると、人は変わります。


 仲が良かったあの子とも、三ヶ月話していなければ友情に亀裂も感じ始めます。


 そういえばもう三ヶ月も話してないなあ。私のこと嫌いになったのかなあ。たまには連絡したほうがいいのかな。でも向こうにも人間関係があるだろうし、なんだか今更連絡して無視されたり素っ気ない態度されても嫌だし、いっそ向こうから連絡が来るのを待った方が……(なんの話?)。


 三ヶ月あれば、人が変わってしまうには充分な時間だということです。


 つまり何が言いたいのかと言いますと。







 自分の作品の紹介文書くの、超恥ずい(両手で顔を隠しています)。





 なんだよあの頃の遠藤。多少のPVアップに飢えすぎだろ。まだ書き方の塩梅に迷いがあった感じとはいえ、めちゃくちゃ恥ずいこと書いてるじゃねーか。


 自分の作品の紹介文とか、薄目でしか見れないですよ。

 恥を知れ。しかるのち◯ね!←◯には【スイーツおいしい】という言葉が入ります。


 もはや自分でもこれを書く理由すら見つからないのですが、予定として組み込んでいたので書きます。


 この素晴らしい作品は私が書いたんじゃない。だから恥ずかしくない。私は禿げてない。私は天才。私は変態。割れた親指の爪が完全に破片が取れていないことを気にしてはいない。はいどんどんどんどん気持ちよくなーる。はーい気持ちいいねー(催眠)。




 少年少女の、月に纏わるささやかな一歩を踏み出す現代ファンタジー。月の魔法の使い方をどうぞ。









 少女は、毎晩月を見上げていた。


 まるで親の仇だと言わんばかりに、鬼気迫る表情で。


 その傍に立つ少年は、憎まれる月に祈りを捧げていた。


 ありがとうございます。


 今日も生き延びることができました。


 少女はその月を憎んでいた。


 少年はその月を慈しんでいた。


 同じ傷を背負う二人の、月に対する思いのあり方。


 あまりにも違っていて、その違いを少し悲しく思う。








 クラスメイトのシエラは言う。行きたい高校に悩んでいる。


 ユウトは言う。自分の後悔しないところを選ぶべきだと。


 シエラはそんなユウトの答えに喜んでくれたけど、ユウトはシエラを羨ましく思っていた。


 後悔しないように、やりたいようにしたかったのは、本当は僕自身なのかもしれない。







 間近に迫るのは、大きく煌びやかな姿を見せる。


 スーパームーンが、近づいていた。


 スペースシャトルの写真を眺め、決意を秘めた瞳でミネコは言った。


「明後日あたしは月を堕とす」


 力強く言い放つミネコを見て、ユウトは何も言えなかった。






 猿は山の木の実や作物を老人に献上した。


 狐は山の生物や川魚を老人に献上した。


 兎は少し鈍臭くて、老人になんの施しも与えることが出来なかった。


 兎は焚き火を起こしてくれるよう、猿と狐に頼み、


 意を決して、自ら燃え盛る炎に身を投げだした。


 自らの体を、老人に捧げる供物として。


 ユウトが兎で、ミネコが狐なら。シエラはきっと……言えるはずがなかった。










 交通事故に遭った夜、輝く月に見守られている気がした。


 交通事故に遭った夜、輝く月はまるで悪魔のように見えた。








 君に一生に一度だけ使える魔法を授けよう。ただし子供の頃しか使えないよ。


 頼まれごとを断れないのも、実は結構繊細で気にしいなところも、すごく兎っぽいよ。悪い意味じゃなくてね。うん、私は、そんなユウトくんが……けっこう好きだよ


 魔法は一人じゃ使えない。化かされる対象が必要なんだ


 今すぐは無理かもしれないけど、僕たちを、見守り続けてくれた月のことを、少しずつでもいいから、好きになって欲しいんだ





 悲しい思いをした少年と少女たち。


 亡くなった両親に重ねたお月様への思いは、すれ違っているようにも思う。


 一生に一度だけの魔法は。


 人生における、とびっきりの瞬間に使うものなんだ。




 お父さんを失った悲しみを。


 お母さんと触れ合えない寂しさを。


 家族揃った思い出を失った辛さを。


 全部全部、月にぶつけてやればいい。



 ミネコさーん。やってやれ!


 ユウト、いってきます










 月堕とすキツネと月ウサギ












 それは一生に一度だけ、二人が使える月の魔法











 久しぶりにちょっと読み返しましたけど、なんだいい話じゃないですか。


 多分半年前に書いたんですけど、今はもう絶対書けないですこんなピュアッピュアなお話。いかにまだ心が綺麗で拘りがあったんだと思いました。


 ある意味物語の展開は今よりも考えていたのかもしれないです。まあ小説書くのを休むつもりでいたのに、何故か書いてしまったものですし。ある意味気楽な作品でした。


 もう完膚なきまでに完結しているので、これ以上いじる気にはなれないですね。


 まあ大体こんな感じの紹介文を書きますよということで。


 そろそろ恥ずかしいので、失礼いたしましゅ(照れ噛み)。

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