教師の悪待遇
これまでの項を読んで、「教員のやることが多すぎる」と思ったそこのあなた。その通りです。
ニュースでも散々「働き方改革」だのなんだのと報道されてますから、教員が大変だってことは誰しも認知していると思います。
「お前は前の章で教員はこうすべきだとか、仕事を増やすような主張してんじゃねえか」と思った方もいるでしょう。まあ確かに、今していないことを「しましょう」と言っているのですから、業務量が増えることは事実です。
しかし、よく考えてみて下さい。教員の本来の仕事とはなんでしょう。
上司の顔色を伺ってヘーコラしていることですか? 専門でもない不慣れなスポーツのアドバイスやらなんやらをすることですか?
違いますよね。ちなみに、僕は教員の本来の仕事は次のように捉えます。
・専門教科を教える
・子供に、より過ごしやすい、のびのびとできる環境を与える
・子供にできるだけ多くの選択肢を提示する
前章と被るところはありますが、概ねそんな感じだと思っています。まあ更にざっくり言えば「勉強」と「触れ合い(人間関係)」と「年長者としてのアドバイス(進路)」のですかね。
勉強はまあ当然として、学校は人間関係の構築を学ぶ場でもあります。組織やコミュニティの中での身の振る舞い、主張の仕方は、教員と子供が一緒になって学ぶことが大事です。家庭環境などの相談も、人間関係を形成していく上で頼ってもらえるような教師であれることが第一です。進路についてはまあ前章に書いたので割愛。
こうして説明すれば、これらが教員がすべき最低限の仕事だということは分かってもらえると思うのですが、言わずもがな、現状はこれをしないどころか、全く見当違いな仕事に追われてお金も貰えない始末です。
見当違いな仕事の例が部活動。まあ好きでやってる場合はさておき、強制的にやらされてたんじゃやってられません。
それから、荷物整理などの雑務や保護者、クレーム対応などは事務員に任せればいい話です。あるいはペーパーテストに関して言えば、丸付けだって分業してもいいでしょう。
もっともっと削れる仕事はあります。というか、さっき僕が挙げた三つ以外の仕事は、極論教員がやる必要ないはずです。
次にお金についての境遇について見てみましょう。お金が貰えないとは言うものの、具体的にどれだけ貰えないか、皆さんはご存知でしょうか。
就活サイト(TECH::NOTE)によれば、高校教諭の平均年収は332〜430万円で、定年まで勤め上げた場合でも500万ちょっとが精々です。子供が一人でもいれば、のびのびと暮らせるような金額ではお世辞にもありません。
教員はそうは言っても子供の命を預かり、また、子供の将来を請け負う大切な仕事です。他の仕事がそれ以下だと言うつもりは毛頭ありませんが、奉仕活動だから、とその専門性をないがしろにされている感は否めません。
それから、教員には残業代がありません。厳密には教職調整額と呼ばれるものが残業代の代わりに払われますが、これは全員一律基本給の4%です。何時間残業しようが、逆に何もしなかろうが、増えも減りもしません。仮に月給が30万ならば、100時間残業しようが200時間残業しようが、貰えるのはたった1万2000円。は?
連合総合生活開発研究所の調べによれば、小中学校の教員の残業時間は「週に」60時間。月換算で240時間。それで1万2000円。小学生のお小遣いかな???
当たり前ながら、様々な職務を押し付けられているため残業時間をなくそうにもなくせませんし、人と接する仕事ですから時間外労働が否が応にも発生してしまいます。
さらに、部活動に関しても、基本的には何も払われません。休日出勤には手当が出ますが、それも時給換算すると500円。え?え???
とまあ、これが教員の現状。国がやってるような「残業できるだけ減らしてねー」「基本給ちょっとだけあげるねー」とかそういうレベルで解決する話じゃないんです。はっきり言ってクソですよクソ。
学校レベルでボランティアやら使って解決しようと必死こいてるとこもありますが、それだって限界は知れています。
繰り返しになりますが、少なくとも
・無駄な仕事全廃
・残業代支払い
この二点を抑えないとお話にならない。教師としてしっかりと教育を行えるわけがありません。そういう意味では、今の適当な教員に対しても、あまり強くは怒れないのかもしれません。
公務員にストライキ権はありませんが、いい加減、我慢が爆発するのではないでしょうかね。僕も、この点は制度改革に向けてどんどん声を上げていきたいです。
いつもの通り、ご指摘反論あればお願いします。今回はソースがネット記事等なので(いくつかの記事を照らし合わせて確認していますが)、間違えていた場合にはすぐにでもご指摘頂けると幸いです。
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