驚天動地の呪い⑰
「連携だって? だって、デュバラさんは、一人でも凄く強いじゃない!?」
言われてデュバラは、少し照れくさそうに、
「ああ、私の場合は別だ。私は、そなたも知っての通り早い段階で〝
「そうだよね。デュバラさんは、世界で一番最初の融合種だもんね」
「うむ。しかし私は、そのために個人的な攻撃的修練をいち早く積み重ねて来た。しかも、この私と融合を果たした二体の勇者の協力を得てな」
「なるほど。ふうん、そうなんだ。僕は、勝手に勘違いしてたよ。余りにもデュバラさんが強い人だからさ。元々一人でも凄く強い人なんだって思ってたよ。でもさ、そう言われてみれば、〝黄金の円月輪〟の人たちが、個人だけで攻撃を仕掛けて来たのを見たことがないよね」
「小紋殿、その言葉には語弊があるぞ。それは見たことがないのではない。通常の人物なら、もう見る前にあの世行きになってしまっている」
「ああそっか。そうなんだよね。普通なら、円月輪の人たちの姿を見る前に殺されちゃうんだね。まあ、たまたま僕は生きて帰って来られたけど……」
そこでデュバラは、再び深いため息を吐き、
「小紋殿。だからそこは、何度も口を酸っぱくして述べてきておろう。それはたまたまなのではない。それは確実にそなたが〝三心映操の法術〟の使い手であるからなのだ。かつて、我々の組織の攻撃を受けて生きて帰った者は、そなたとそなたの師匠である羽間正太郎のたった二人のみだ」
「あははは……。そうだったね。デュバラさんの言う通りかもしれないね」
言われて小紋は、何ともやり場のない笑いで茶を濁す。
その後、二人はオツの車両に備えられたリビングの中で、今後の計画を練り始めた。
「小紋殿。このオツとやらの車両の燃料は、あといかほどのものか?」
「ううん。ざっと計算してみても、大体あと五百キロメートル走れればいいところだよね。ここから目的地の関西地域方面を目指すともなると、結構ギリギリのラインかな。でも、所々舗装されていない場所を走ったりなんかしたら、きっとそれ以下になっちゃうだろうけどね」
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