驚天動地の呪い⑪


 デュバラは、それからも連れ去られたクリスティーナの消息を追い続け、

「やっと探り当てることが出来たのだ。彼女の居所を」

「なんだって!? そ、それじゃあ……」

 だがしかし、そこはデュバラが単身で乗り込めるような場所ではなかったのだ。いくら彼が手練れの暗殺者とは言え、それを迎え撃つ相手が悪すぎるのだ。

「それはどういうこと、デュバラさん?」

 問い掛けられてデュバラは押し黙った。

 小紋は、そんな彼の困り果てた表情を初めて見たような気がする。

 そこで彼女は、

「ということは、この僕がデュバラさんと一緒にそこに乗り込めばいいんだね? だから、僕の居所を逐一追っていてくれていたんだね」

 言われてデュバラは、なんとも苦り切った表情で答えた。

「すまぬ、小紋殿。これではまるで、そなたを私の勝手に巻き込んでしまっているようで申し訳が立たぬ。こちらからそなたを探っておきながら、利用するような真似を……」

「そんなの気にしないでよ。だって、僕とデュバラさんとの仲じゃない。僕は、クリスさんやデュバラさんのためなら、一肌も二肌も脱いだって構わないからね」

「かたじけない、小紋殿……」

 妙にかしこまるデュバラに対し、

「……って、ええと、デュバラさん。今のはたとえ話だよ。一肌も二肌もとは言ったけれど、本当に脱いだりはしないんだからね!!」

 そんなことを言って、顔を真っ赤にしておどけて見せる小紋。

「重ね重ね本当にすまぬ、小紋殿。そなたの力を借りねば、あの難関は突破出来んのだ。よろしく頼む……」

「うん。こちらこそ」

 言って小紋は、かしこまるデュバラの手を取って微笑んで見せる。

「ねえ、ところでデュバラさん。そのクリスさんの居場所は、なんで一人じゃ行けないの?」

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