偽りのシステム187
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さらに、エスタロッサ七個中隊の勢いは留まることを知らない。
彼女らの中隊が、第十五寄留跡地の手前の山岳の麓にある大きな谷に直面するや、
「この崖の幅では、さすがにこの大きな陸上戦艦の形態のままでは渡り切れません。ならば、一度封印を解く必要があります」
彼女がそう言葉を
「各機、三列編隊の陣形を取り櫓を組むのです!!」
彼女に言われるがまま、イシュトール・イシュⅣ型の大集団は短時間の見事な体さばきで三本の柱となり、
「そのまま、前方に倒れ込みなさい!」
すると、三本の櫓陣形が谷に向かって棒がなし崩しのまま前方に倒れ込んでゆく。
なんと、てっぺんに位置するフェイズウォーカーが谷の向こう側にしっかり腕を打ち込むと、
「これで簡易架け橋の完成です。各機、重量強度チェック! これで問題なしなら、後方の残り部隊は辺りを警戒しつつ即座に渡り切ってしまうのです!」
これは本当に見事というしか他ならない。この統率された無駄のないやり取り。そして事を最低限の時間内で成し遂げてしまう要領の良さ。これはまさしく、彼女が他の兵士たちの意思を操ることが出来ることで行える神技である。
「ここを渡り切ってしまえば、事もなく第十五寄留跡地に辿り着くことが出来ます。そして、跡地の地下深くに備わっていると言われている次元開口扉の向こう側に侵入して核を仕掛けてしまえば良いのです」
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