浮遊戦艦の中で113


 ※※※


 リゲルデは、マリダ掃討作戦を遂行するにあたって、心しておきたいことがあった。

「あのマリダという機械人形は、ただの機械人形ではない。なにせ風の噂によれば、女王になるべくして作られたアンドロイドという触れ込みもあるぐらいだからな。特攻覚悟とはいえ、慎重に行かねばならんな……」

 言うや、リゲルデは部下のアマンダ・シャルロッテ中尉を回線で呼び出し、

「シャルロッテ中尉。作戦の打ち合わせをしたい。至急、俺の部屋に来てくれたまえ」

 回線相手のシャルロッテ中尉は、その無表情に近い端正な顔だちを一度も崩さすに、

「分かりました。直ちにそちらに向かいます」

 そう言って事無く回線を閉じた。



 リゲルデは、彼女を部屋に呼び出すと、すぐにベッドの上に押し倒した。彼女の細くしなやかな肢体が鞠をついたように上下に揺れる。

 シャルロッテ中尉は、そんな上官の態度に何の抵抗もなく自ら服を脱ぎ始めた。

「これこれ、何度言ったら分かるのだシャルロッテ中尉。俺は羞恥を知らぬ女は好みではない。恥じらいは女の作法だ」

 そう言って、彼女の腕の自由を利かなくするや、リゲルデは軍服のボタンを上から順番に外し、下着までの一枚一枚をゆっくりと剥ぎ取って行く。

「さあ、シャルロッテ中尉……いや、アマンダよ。聞かせてほしい。とは、人類にとって、いかな存在なのだ?」

「はい、ドール……つまり、私たち人間の手によって造られしアンドロイドという存在は、人類貢献のために誕生したのです」

「ならば問うぞ、シャルロッテ中尉。お前は俺の何だ?」

「はい。私は、リゲルデ中佐。あなた様のどんな場面にでも補佐をする役目を承っております」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る