虹色の人類65
「もう遅いだと!? 何を言っている、エナ? お前の
正太郎はありったけの声を張り上げた。何より彼女の胸の中まで届くように。しかしエナは、
「もうっ!! 今さらどうしてあなたはそんななの!? どうしてそんなに優しい言葉を掛けてくるの!? ねえ、どうして!? あたしは今、あなたを殺そうとしているのよ? それがどれだけ可笑しなことか分かって? もしそんなことを言うんなら、最初からあたしのことだけを見てよ! そしてこれからもあたしのことを見続けていてよ! 五年前のあの時だってそう。あたしはあなたに求めていたの。あなたのその優しさを! あなたのその包み込むような懐の大きさを! あなたとあたしは五年前の戦乱の時点で直接顔を合わせたことはなかったけれど、あなたの戦歴や戦略の仕方を見れば全てが解かったわ。あなたが他の戦略家とはまるで違うことを。あなたが類稀な
エナはそこで言葉を切ると銃口を完全に下ろした。すると途端に坑道内に静寂が走り、今までとは違う別の張りつめた空気が漂う。彼女は続けた。
「
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