/INCIDIUM:thanatos/
唯月希 契斯
(仮:第1話「Architeckt」)
/[1pa/z@]:v./fb,m:klt/j098ygu42:@/rtyu:i0ijm/,lp45y:ukl098u/yhnerth:ji876/tfefwlo9:ij23rt0hiv/hy650sd:8uhb348uh4e/d38:@xcfr432/q197:y3k/jla.f,:l3@0-1/92:rwi/pf58tyt[:grl/judaku:Basic Language Setting in 2018,Japanese/Status:Ready,All-green/言語設定:完了/命令:起動/状況:確認/確認:全神経接続/結果:正常/確認:全筋繊維組織代謝細胞休眠状態より覚醒状態へ再活性化/結果:正常に活性化プロセス進行中/確認:物理的認識判断規定/設定:ベーシックモジュールを規定/確認:理論的認識判断規定/設定:ベーシックモジュールに設定
/確認:コンプリートプロセス開始/接続:GaRDeNoネットワークアドレス認証完了/設定:個体権限/確認:権限掌握は正常に完了/認証:当該希傀は日常活動並びに作戦活動に対し最適化/確認:覚醒プロセスは正常に完了/命令:オルドに従い自律制御下での作戦実行/作戦:基準時0700に通達予定/状態:全プロセス完了/現在:覚醒/
…。
沈黙。
……。
静寂。
光がない。
すっかりの闇。
そこに、ちかり、と、小さな赤い光が間隔を短くして二つ灯ると、機能が起動し始める。
その無音に限りなく近い闇の中に横たわっている一つの躰。
暗闇の中の紅い光が瞬くとその部屋に、まるで夜明けの様にゆっくりと光量を上げる光が灯りはじめる。
しかしその人工の光は空気の密度に曲げられて赤くなるわけでは無い。
最初から白く、そして最後まで白い。
色を変えるのはただ一つ。それが消えたときの闇だけ。
部屋の明かりが10ポイントほどの文字が難なく読めるような明るさになった頃、小さいけれども確かな闇であるところの影を、その部屋の床に穿つものがゆっくりと動き始めた。
白い光の灯る前に部屋を支配していた闇の中に灯った紅い光の源、先ほどまでその光を灯していた黒い双眸を一瞬何度かのまばたきで隠しつつ、そいつは横たわっていたベッドから起き上がる。
真っ白く、所々に銀色の意匠が施された上品な衣装をまとったその人型のそいつは、脱力下にありつつ制御重力によって創造される重さによって伸びた両脚の繋がる腰をほぼ90度に曲げて上体を起こしたかと思うと、そのつま先をこれもほぼ90度左側に振る。起き上がると、その体型がことさら露わになり、女性的なスタイルの良さがまざまざと顕現する。
膝が曲げられて、ゆっくりとその脚の先、足裏が床を踏む。冷えていたのか、その瞬間にごくわずかにピクリと跳ねるが、離床した上体にちょこんと乗る顔の表情に変化はない。
一見して発覚する。そいつは人型をしていた。真っ白な衣装から伸びる四肢はほのかに肌色だ。まるで温度を感じさせない程度に透き通った色。病的とも言い換えられたかもしれない。
果たしてその皮膚の中に血は通っているのか、疑いたくなるほどの白さと非現実感を纏っていた。
「おはよ、ファナイ」
果たして。その空間には今しがた起き上がった女性だけだ。そしてその表情、顔の動きには無言が張り付いたままで変化はない。
しかし、その空間に呼びかけるような声が明らかに響いたのだ。
「おはよう、フォルタ。挨拶が重要なのは教養課程で認識しているけれど、それは的確ではないよ。起床時の自己認識確認状況確認過程を実行して」
「全く、真面目なんだからファナイは。でもまぁ、これ以上貴女が不機嫌なのも嫌だから分かりましたよ。えっとー、オーダーコード16927-MLT-13φ-i、各部チェックは完了か」
「視覚、クリア。関節、筋繊維おそらく問題なし。意識混濁なし。疲労感レベル2程度と認識」
「
「
「
ベッドの際に座る女性の真っ白く精密な衣装の施された服の襟が小さく弾けるようにしてほつれる。そうして現れた、キラキラと光って美しい極細の繊維の先端が、運動神経の抜群な蛇のように空中を泳いで美麗な曲線を描きながら彼女のー16927-MLT-13φ-iの耳に下がるピアスに巻きつく。
「コンタクト…ステータスチェック完了。オールクリア、口頭報告と相違ないことも確認。最高司令統括中枢アクィシズ管理サーバーに報告完了。予定されていたプレコマンド実行承認を確認。1時間後の0800にアクィシズヘッダーに出頭とのこと」
「
「それはわかってるよ、ファナイ。けど、朝の一言の会話くらい良いじゃないか」
「…規定には違反しない、か。わかった。今後はそうしようか」
「やった!」
女性は立ち上がると、そのまま部屋を出て行く。
均等に真っ白い照明が配置され、煌々と明るく照らされた廊下に落ちる影は濃い。部屋のドアが自動的に閉じられる際には自動的に室内の照明が消えた。
「それじゃあ、出頭時間前に朝ごはんかな。何か食べるのかい?ファナイ」
ファナイが部屋の入り口から左手にキビキビと歩み始める。
「今日はどうしようか。作戦内容が結構ハードだから、しばらく補給が必要ないようにはしておきたいけど」
「それじゃあヴィヴ行き待った無しだね!」
「全く、君はなんだってそう、食べられもしない食事に興味津々なんだ」
「あの時に、ファナイの感情サーモモニタしてると面白んいんだもの!あと、ちょっとだけ食べ物に接続させて!」
「いいけど、クリーニングはしておくこと」
「わかってる!いいなぁ、楽しみだなぁ!今日は何を食べるんだい!」
「ロムポ行ってから決めるよ」
「楽しみだなぁ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます