空を仰いで地を這って。-詩集-

松倉愛

空を泳いだ魚は 海を恨めしそうに眺めていて

海を泳いだ魚は 空を懐かしそうに眺めていたって


いつだってそうだ いつだってそうだ


あの魚は海が恋しいと言い

あの魚は空が眩しいと言い


飛び込むことはなく

空を、海を、泳ぐんだ

変わらない世界を泳ぐんだ


何も変えられないまま


泳いでいく 泳いでいく

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空を仰いで地を這って。-詩集- 松倉愛 @studio_mucco

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