異世界に転移したら、世界が俺を暴走させようとしている。
未雷
略奪者
「固有スキルもう一個欲しいなぁ」
相手に聞こえるようわざと大きな声でいう。
「そ、そんな。固有スキルは1人1個までと転生神に決められています!」
1人1個までって子供のおやつじゃないんだから。まぁ彼女は僕に借りがある。
「あーあ。元の世界に帰りたいなぁ。まだ17だったのに殺されちゃったしなぁ。」
ここまで来るともう脅しだよな。しかしここでやめたらダメだ。
「分かりました。じゃあもう何個でも持っていってください。」
「そう?ありがとう。」
ニヤリと口元が動く。
「それじゃあこれとこれとこれと……これと…これ。」
創造召喚・自由転生・自由進化・自由錬成・自由強化・究極成長・究極鑑定・
身体改造・絶対記憶・絶対待遇・略奪
と言った具合にチートスキルをもらう。
「そ、そんなスキルを手に入れればあなたは世界から恐れ…ら」
「(絶対待遇)」
固有スキルは無詠唱で使える。まぁ魔法じゃないから当たり前なんだけどね。
「はい。貴方が強くなれば私も誇らしいです。」
「ねぇ。転生したあともここに来ていい?」
これは自由転生のスキルを使うことで出来る。
「はい。いいですよ。紅茶とお菓子を用意して待っています。」
何事も無かったようにニコッと笑ってくれた。チョロい。
「それでは最初の世界へ送ります。お元気で…」
目の前が真っ白にではなく真っ暗になる。
「やっと召喚に成功しましたな陛下。」
「あぁ。この世界を救う4人の勇者はどれほどの力を持っているのか。」
4人?俺は確かに1人で転生したはずだ。
【究極鑑定】を発動させる。これは周囲の物体や生物の能力を精密に知ることが出来る。そしてその者の考えることも理解することが出来る。
「ここが異世界なのか。」「地球とはやはり違うわね。」「私たちは役に立てるのかしら。」
と若々しい声。まぁ俺とあまり変わらないくらいの学生がそこにはいた。制服で異世界に飛ばされたのか。
「異界の勇者たちよよくぞ来てくれた。」
先程「陛下」と呼ばれていた男がいう。まぁいかにもと言った黄金の椅子に座っているからなんだけど。
「お主。その姿はなんだ?」
と、俺を指さしてくる。すると家臣のような奴が鏡を持ってくる。
そこで自分の姿を見た。
鬼のような角が生えていた。漫画などで見る魔族のようだった。
そして魔族は人族に警戒されるため、ここに来た経緯を話した。まぁスキルのことは話してはないが。
「そうか、お主は転生神によって召喚されたのだな。しかしここに召喚されたということは、魔王に匹敵する力を持っているということだな。試すようで悪いが、今ここでお主らの力を見してくれ。」
俺の順番は最後だっだため、他の奴らがどんな力を持っているかを確かめられた。1人目の男は、何も無い場所から聖剣を取り出した。2人目は弓、3人目は魔導書。この流れは武器を出すようだ。
俺にはそんな力はない。しかし【創造召喚】はあらゆる者を作り出すことが出来る。彼らと同等位の力を見せないと行けない。
俺は武器ではなく防具を出すことにした。黒い防具に、赤黒い炎と電気を纏わせて見した。そしてこの防具はあらゆる攻撃を無効化、近接的攻撃はすべね体をすり抜ける。
「素晴らしい力だ。お主らの武器しかとこの目に焼き付けた。しかしお主の防具の強さは確認出来ない。」
とまた俺を指さしていう。こいつ俺にいちゃもん付けすぎだろ。
「それでは実戦してみませんか?僕達の武器の攻撃をしのげるかどうか。」
と聖剣の男が提案する。
「それはいい提案だ。早速行おうではないか。」
と俺と3人は訓練棟に連れられた。
「それじゃあ僕達が全力で1回ずつ攻撃しますからそれを耐えてくださいね。」
これ受けれなかったら死ぬよな。俺じゃなかったら死んじゃうよな。
「それでは行きます。」
弓を引く。放つと1本の矢は分裂し無数の矢となり飛んでくる。しかしそれだけではない。無数の矢は大きくなっているのだ。威力が大きいため地面に当たると爆発のように見える。砂埃が舞う。俺以外の人間は俺が生きているとは思わないだろう。
「今のを防ぐの?!」
と弓の少女はいう。
「流石魔王に匹敵する防具。」
と魔導書の少女もいう。
「次は僕が斬ります。」
と言った瞬間に彼が目の前に来る。並の人間では絶対に避けられない距離だ。しかし俺は防がない。いや防ぐ必要が無い。まず触れられないのだから。
そして彼は彼の身長ほどある剣を振る。俺を通過した剣の先の壁は崩壊している。斬撃だ。
「斬る感覚がない。」
「触れられないというの?」
と困惑した状況だ。
「物理攻撃は通らない。」
と魔導師を持って言った。なにかに気づいたようだ。しかしあまい。
物理攻撃は、ではなく。物理攻撃も通らないだ。
「無の精霊よ、気を操る精霊よ…」
と何やら詠唱し始める。そして詠唱を終え終え俺に向かって手のひらを見せる。見せると同時に握る。
「魔法まで効かないの?」
と驚いてるようだ。
「さっきの魔法は何だったんだ?」
詠唱だけでは理解できないので聞いてみる。まぁ鑑定スキル使う方が早いけど。
「窒息魔法よ。」
「ふーん。そらっ」
と先程食らった攻撃を使ってみる。聖剣の斬撃・巨大無数の矢・窒息魔法。
流石に聖剣や弓、魔導書は出せない。まぁ略奪を使えば出せるけど、それでは彼らの力を奪ってしまう。
「「「っ!?」」」
気づいたか。自分の使った攻撃だもんな。それは防がれてしまった。 彼ら以外の人間によって。
【究極鑑定】でその人間を見る。人族・女・戦闘力 A・魔力 A・宮廷魔法士…
と。宮廷魔導師か。帝国の犬だ。そしてこの世界の人間ではかなり強い。しかも美人!これ重要。
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