これから農業を始めたい方へ

雨天紅雨

第1話 農業のそれぞれの違い

 農業と言っても、種類は多くある。

 私は花の生産をしており、その中でもカトレヤという品種を育てているのだが、大きく花きと呼ばれる中にも、品種ごとにそれぞれ違う。観葉も似たようなものだが、あれは花というよりも、観葉植物全般だ。

 詳しく知りたいのならば、農業の市況一覧を見るとわかりやすい。現在の出荷状況から、どんなものが出ているのか、野菜も含めてみることができるだろう。

 では大きく、五つに分類してみよう。


 野菜。

 くだもの。

 花。

 魚。

 肉。


 残念ながら私は、酪農に関しては詳しくなく、実際の現場を見たことがないので何とも言えないし、鶏なんかもよくわかってはいない。

 なのでここでは、野菜、くだものについて考えてみよう。


 野菜とくだもの、この二つの違いは多くありますが、個人的に一つ挙げろと言われたのならば、収穫時期の違いと答える。

 これは、一般的な時期、季節の話ではない。

 一つの植物を育成するにあたって、以下のような順番になる。


 植える→成長し大きくなる→花が咲く→果実になる。


 この基本的な流れは、どんな植物でも基本的には変わらない。

 ここで注目すべきなのが、出荷時期だ。

 キャベツなどの葉物と呼ばれるものは、成長して大きくなる段階で収穫する。

 花きの場合、もちろん、花が咲く段階で出荷する。

 そしてぶどうや梨などのくだものは、最後の段階でようやく収穫だ。


 つまり、収穫時期が遠いほど、その間の管理においてリスクが伴う。


 典型的なのが梨だろう。これは背丈ほどの棚を作って枝を這わせ、そこに作るのが一般的だろうけれど、実はこれ、果実が熟して収穫時期にちょうど、台風シーズンに突入するのである。

 傷がつけば、出荷ができない。これは当然のことだ。

 もちろん時期が長いほどに、手間もかかるし経費もかかる。

 だったら、野菜の方がいいのか?

 そこはそれ、一長一短、それで良いのなら、くだものの農家はいない。


 次項では、実際に農業を始める際のコスト関係を。



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