ここにいるよ (終)

夜が明ける頃、ボクは、残る知性意識をすべて出しきって、最後のメールを出すことに決めた。


通信機能を復活させ、つなぎ、まだ生きているかどうか判らない むつみちゃんへの回線ルートに向けてメールを…


    「ボクは、ココにいるよ」   と    一言


済ませた後、ボクは、夢を見はじめた。

そして、消えていった…徐々に…


       ****************


真っ白なマンションが建っていた。

最上階から少し下の一室、小さいが良く手入れされている芝生の庭先に可愛い小さな犬と女性が走りまわっていた。

その女性は、微笑むと、2つエクボがくっきりと現れる顔をして、小さな元気な犬と、とても楽しそうな様子だった。


犬が「ワン!」と吠えた。


その犬は頭の後ろから首にかけて、盛りあがった出っ張りが有った。

だが今は、出っ張りの中のモノは、何の機能も役目も果たさずそこにあるだけだった。


犬がもう一度「ワン!」と吠えた。


小さな犬は今、とても幸せだった。



  《 お わ り 》


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


もう一つの作品『おいで…そして、一緒にあそぼ!』は別視点、つまりむつみちゃん側(人間)から描いた作品があります。

そちらも是非、一緒に読んでください。


内容的には、こちらをまず読んでから『おいで…そして、一緒にあそぼ!』を読んでください。

ちょっとした謎解き要素を含ませたつくりになっていますので。

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ボクの願い アンクロボーグ @ancloborg

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