自分勝手少女マンガ・アニメ論評~ただのオタクの独り言~

@nagayaou

第1章 カードキャプターさくら ~寛容な世界とその魅力~ 第1項カードキャプターさくらと、その概要 

私が、この論評を書こうと思った際に、一番最初に書こうと決めていたのが、

『カードキャプターさくら』である。

自分自身、CLAMP先生の作品に触れ、漫画を読み始めた身としては外せない作品であると考えている。

第1項では、私の主観的意見を交えつつ、概要を語りたいと思う。


『カードキャプターさくら』(以降ccさくら)は、『なかよし』に連載された1990年代後半に発表されたCLAMP先生の代表作の一つである。

2018年現在、クリアカード編が連載、TVアニメ放送されており、今なおファンに愛される作品である。

また、私の感想になってしまうが、『美少女戦士セーラームーン』以降廃れていったともいえる魔法少女もののジャンルに再び焦点を当てた作品でもあると思っている。


『ccさくら』のストーリーをざっくり説明させていただく。

クロウカード編とさくらカード編の2部構成となっている。

クロウカード編では、ひょんなことからクロウカードをばらまいてしまった木之本桜がクロウカードを集めながら、クロウカードの主として認められるまでを。

さくらカード編では、周辺でおきる事件を解決するために、力を失いつつあったクロウカードをさくらカードに変えながら桜の成長と周囲の人々を描いている。


本当に大雑把な説明であるが、魅力を伝えられているとは思わないが、

この論評は読んでいない人に読んでもらおうと思っていないため、このくらいで許していただければと思う。


大枠のストーリーを見るとどこに魅力があるのか一切わからないと思う。

しかし、売れている作品や長期間愛されている作品ほど、あらすじを簡単にまとめるとこうなるので、仕方ないと考えている。


例えば、以下の説明でどの作品かは誰が読んでもわかってもらえるはずだ。

・一子相伝の暗殺拳をめぐる物語

・聖杯をかけたある町で起きる戦いの物語

・海賊王の秘宝を求めて冒険をする海賊物語

などなど

もはや、後半には忘れたんじゃないかと思う設定もあるが、最初の設定上はこんな感じだったと思う。


さて、『ccさくら』に話は戻るが、実は私はこの作品があまり好きではなかった。

嫌いではなかったし、当時の私はCLAMP信者だったので、CLAMP先生の作品は全部見ないと!という使命感で全巻買い、アニメも全話見た。

なぜ、好きではなかったのか、その理由は単純で「CLAMPっぽくない」だった。


私が当時思い描いていたCLAMPという作家のイメージとはかけ離れた場所に『ccさくら』という作品はあったのである。


今思えば、そんなことはなかったのだが、当時の認識では、あまりにも主人公たちに世界がやさしすぎるというのが、私の感じたことであった。

CLAMP先生の作品では、悪意ある人が出てこないことはあっても、「主人公たちにやさしい世界」は存在していなかったからだ。


例えば、ハッピーエンドを迎える作品の中で、主人公たちがその地点に到達するまでに、様々なものを犠牲にする必要があるのがCLAMP作品だった。

それは、主人公たちの考えが足りていなかった場合もあれば、そもそもそれを理解して動いている場合もあるが、何かを手に入れるために、何かを犠牲にする必要を必ず迫られるというのが、私の思う「CLAMPっぽい」だったのである。


しかし、『ccさくら』は物語の中で、何かを犠牲にして、何かを得るということはない。

その点において、私は物足りなさを感じ、当時は嫌いではないが、好きでもない作品であった。

この物足りない気持ちがあった私であるが、当時みんなが『ccさくら』の魅力を語りあった。この物足りない作品の何がみんなの心をとらえたのか、それを感じられるようになったのは、成人してからになる。

物足りなさを埋めたものが何だったかは次項で語りたいと思う。

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