カゲ

 影だ

  僕は影だ

光を浴びたら消え失せる影だ

     だが

  誰の影だか解らない

聳えるように背の高い奴らが

僕を四方八方から囲んでいる

  誰の影だか解らない

     だが

  本当に影なのかと

この安寧の囲いから飛び出して

あの白々しい太陽に指を突きつけ

僕は影でお前は真実太陽なのかと

  問いかけてやりたい

  呟き続け幾年月か

 あの太陽も

光を産む文明も

 終わりのその時まで

  応える者は無し

     僕は影か

        影か

          ?

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