残氓者

"テラリアの小窓" を決して

観てはならぬ、観てはならぬ

狂ったように叫ぶ老いた僧よ

誰があなたの言葉を信じたか


揃い踏みたる金持ちや権力者

誰もがソレを待っていたのさ

罪深き競売の始まるそのとき

"テラリアの小窓" が紐解かれ

注がれる好奇の目と嘲笑う声


紺碧の燃える楽士が踊りでた

臓腑を啄む阿鼻叫喚の宴席で

等しく眼球は腐れ熱は奪われ

賓客は枯れ果て沈黙に死する


美しき紺碧に彩られた宴の中

聴く耳もたぬ我が身の不幸か

わたしだけが死に遅れ全てを

"テラリアの小窓"を奥を覗き

荘厳なる深淵を垣間見たのだ


今ならあの老いた僧を信じよう

だがあの美しさは手放すことが

出来ようか


※作家・乃間 銑一郎氏の取材記録より





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