第24話 王座をかけた戦い
1ターン目が終わり、2ターン目が始まる。鈴とユータの試合は動画で放送されており、ネットで動画を開けばコメントの段落も流れている。
「私のターン。私はドラゴンの卵を召喚するわ。後列に移動。ターンエンド」
「俺のターンドロー!俺は神獣リオルを召喚!モンスター効果でデッキから神獣カードを手札に加える。リオルでダイレクトアタック!」
鈴の山札は38枚だ。ユータは40枚である。
「ターンエンド」
「私のターンドロー!私は火炎龍を召喚!モンスター効果でドラゴンの卵を破壊するわ」
「自分のモンスターを破壊だと!?」
ドラゴンの卵は自分のモンスターの効果によって破壊された時、デッキからコスト5のドラゴンモンスターを召喚できるという効果をもつ。だから火炎龍でドラゴンの卵を破壊したということだ。しかもそれだけではない。火炎龍は自分のモンスターを破壊した時、相手のエネルギーカードを1枚破壊できる効果をもつ。
「現れよ!赤飛龍!バトルフェイズ!赤飛龍で神獣リオルを攻撃よ。モンスター効果で赤飛龍が攻撃した時、相手のエネルギーカードを1枚墓地に送るわ」
ユータのエネルギーカードはたったの1枚。クラッシュだ。
鈴がパワー+3000でユータが1まいドローのクラッシュを引いた。
赤飛龍のパワーは5000。クラッシュで8000神獣リオルのカードは2000 神獣リオルが破壊される。
「さらに火炎龍でダイレクトアタックよ!」
「くっ…」
裕太の山札が37枚になりエネルギーが1枚SPが3枚だ。
「エネルギー1枚で勝てるかしら?それともサレンダーする?」
「馬鹿か、この状況でも逆転するのが天才じゃないか。俺のターンドロー!」
まずは自分の状況を分析するんだ。手札は6枚でSPが4エネルギーが1枚。まずは足りないエネルギーをなんとかする。
「スペシャルマジックキャスト発動!エネルギーを2枚チャージする!」
これでエネルギーは3枚だ。これで下級の神獣を出すことができる。
「こい!神獣ケルト!モンスター効果で3枚ドローし、エンドフェイズに2枚手札を捨てる。俺は神獣ケルトを生贄に神獣ケルトリスを召喚する。ケルトリスの効果発動!手札からコスト3以下の神獣を召喚できる!こい神獣アクア!神獣アクアのモンスター効果で墓地のカードを1枚手札に加える」
「さすが裕太くんね。たったエネルギー1の状態からここまで立て直すとはね」
「まだ終わってないぜ。神獣アクアを生贄に手札から神獣アクアトアを召喚!アクアトアのモンスター効果で墓地のコスト3以下の神獣を出せる。こい!神獣パトラ。神獣パトラは召喚時エネルギーを3枚エネルギーゾーンへ置きエンドフェイズに2枚墓地に送る。そして神獣パトラを生贄に神獣アルパトラを召喚!これで場に神獣アルパトラ、神獣アクアトア、神獣ケルトリス3たいの神獣が揃ったことでJOKERを場に出せる。JOKERの効果でWORLDを手札に加える」
「ふふ、さすがね」
「いけJOKERで赤飛龍を攻撃!クラッシュ・・・パワー+3000」
「私はガード+5000だわ。パワー10000対ガード10000で相打ちね」
「ならば神獣アクアトアで火炎龍に攻撃!クラッシュ」
両者クラッシュは1枚ドロー。アクアトアのパワーは5000火炎龍が1000で火炎龍が墓地へ送られる。残りのアルパトラとケルトリスの攻撃でブレイク5が2たい。つまり10枚デッキから墓地に送られる。
「バトルフェイズ終了時私はスペシャルマジックパワーリングギフトを発動するわ」
「パワーリングギフトだと!?」
パワーリングギフトはこのターンで両プレイヤーが墓地に送られた枚数4枚につき1枚山札からエネルギーゾーンへカードを置ける効果をもつ。使い勝手が悪いカードだから使ってる人なんて見たことがなかったが、まさかこのタイミングで発動してくるとは…これで鈴のデッキは20枚でエネルギーが6。ユータは29枚でエネルギーが4だ。
「私はシンフォニードラゴン召喚!モンスター効果でエネルギーを2枚墓地に送ることでデッキからシンフォニードラゴンを召喚できる。さらに呼び出したシンフォニードラゴンの効果でエネルギーを2枚墓地に送りシンフォニードラゴンをデッキから召喚するわ」
神獣3体VSシンフォニードラゴン3体
神獣アクアトア、ケルトリス、アルパトラはパワー5000ガード5000ブレイク3シールド2のモンスター。それに対しシンフォニードラゴンはパワー7000ガード5000ブレイク6シールド3だ。
「いけ!シンフォニードラゴン3たいで神獣3体に攻撃!」
「クラッシュか…」
「いいえ、シンフォニードラゴンはバトルフェイズでクラッシュを無効にする効果を持ってるわ。よってクラッシュは発動しない!」
「うわーーー!!!」
3たいの神獣が破壊される。
「さらにスペシャルマジック連鎖破壊。相手モンスターを戦闘で破壊し、このターンブレイクを行っていない時破壊したモンスターのコストの合計分、あなたの山札から墓地へ送られせてもらうわ」
「なんだと!?」
残りデッキ10枚…。
鈴のデッキは15枚…。
俺は負けたのか…場にはモンスターはいない。相手にはシンフォニードラゴンが3体。くそっ!俺はこのまま大衆の前で無様に負けるしかないのか…
「あきらめるなー!!!」
「あきらめないでー!!!」
「え…」
声の主はマルタとガイだった。必死になってユータを応援している。そう一人じゃない。ここまでやってこれたのは俺一人の力じゃないはずだ。
「俺はあきらめない!!!俺のターンドロー!!!」
スペシャルマジック「神獣の奇跡」発動!!!
手札の神獣カード3枚と山札5枚のカードを墓地に送り発動する。
「山札をさらに削って残り3枚にするなんてあなた正気!?」
ユータの墓地からこれまでデュエルに登場した神獣が姿を現す。
神獣アクア、神獣アクアトア、神獣ケルトリス、神獣ケルト、神獣パトラ、神獣アルパトラ、神獣リオル、JOKER、そのすべての神獣モンスターが場に集結する。
「なんですって…でもJOKER以外はパワーはシンフォニードラゴンに勝らないわ」
残り手札は1枚…。デッキは3枚。ここで必ず逆転してみせる。天才という名の称号とともに!
「俺はスペシャルマジッククイックドロー発動!デッキから2枚ドローする!」
「残りデッキ1枚!?」
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