第16話 ランキングバトルスタート

「大学の講義ってちょっと退屈だよな…」


裕太は午前の講義の途中にスマホの電源を入れ、教科書を立ててスマホがいじっているのがバレないようにする。検索したのはゴールデンチケットで手に入るパックの情報だ。CM廃人攻略サイト。このサイトが今一番情報が溢れている。神獣のウルトラレアは神獣リオルの他にも5種類あるらしい。


それはともかく今日からランキングバトルが始まるんだ。裕太は講義が終わると、てきとうに人がいない教室でお手製のお弁当を食べる。大学ではボッチ席というのがあるのだが、誰もいない。誰もいないボッチ席に一人座るのは孤独感がパナいことになるので座るのはやめておく。


そして帰宅後、裕太は部屋に戻り、アフレニア王国にログインする。そして今日から始まるランキングバトル。ランキングバトルは歩いてる途中で近くにいるプレイヤーとランダムでマッチされ強制的にバトルが発生するというシステムだ。また対戦をしたくないプレイヤーはバトルオフにして対戦にマッチしなくなる機能もある。ユータはすぐにバトルオンの状態にして街を歩き回る。


対戦相手が見つかりました。デュエルが開始されます。


「対戦相手が見つかったか。えっと対戦相手のプレイヤー名は…」


「アリス」どうやら女性プレイヤーだ。お互いにレーティングは1000ポイント。相手は初心者プレイヤーだ。プレイヤー記録にはアイコンに自分の所持してる好きなモンスターを設定できる。ユータはWORLDを設定しているのに対し、アリスは強ゴブリンだ。強ゴブリンはレベル15のステージで現れるモンスターだ。コスト5の割にパワー、ガードともに4000でアビリティが場に出した時ゴブリンを1枚手札に加えるという効果。そのゴブリンはコスト3のパワー2000ガード2000の弱小モンスターだ。話にならない。コイントスで先攻はアリスになった。


「あなた、確か朝倉裕太さんですよね。全国大会決勝で敗退した」


おいおいここで本名を明かすのはやめてくれよ…。みんなが見てるじゃないか…。


「よく知ってるな、決勝戦見てたのか?」


「はい、ぼろ負けでしたよね」


カンに触る言い方しやがって、速攻ぶっとばしてやるか。

ランキングバトルは左上のモニターにデッキの残り枚数、手札の枚数、そしてSPゾーンの枚数が表示されるようだ。いつもと違った戦闘の景色にやる気が更に入る。ゲーム開始時は手札を5枚ドローするので、ゲームはデッキの枚数が45枚で始まる。最初のターンのドローで1枚消費、SPチャージで1枚消費するので、1ターンで最低2枚デッキを消費することになる。互いのデッキの枚数が39枚になったところで試合が動き出す。先手を取ったのはアリスだ。


「私はゾンビ兵を召喚します。モンスター効果発動!デッキの道連れゾンビを墓地へ送ります!ゾンビモンスターは出したターンに攻撃できません。ターンエンドです」


山札38枚。


この展開。まさかアリスのデッキは…ネクロ蘇生デッキか。ネクロ蘇生デッキは墓地にゾンビモンスターを大量に送り、墓地に送ったゾンビモンスターをどんどん蘇生し、場をゾンビで制圧するというデッキだ。


「俺のターン!ドロー!」


ユータはカードを引く。


「俺は神獣リオルを召喚する!モンスター効果発動!デッキからJOKERを手札に加えさせてもらう」


デッキからJOKERのカードが宙に舞い、それを片手でスパッとキャッチした。


デッキ枚数38枚

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