あかいろ

村むらさき

私と苺ジャム

 苺ジャム作りは残酷だ。


 ヘタをむしり取る。

 先の尖ったフォークで跡形もなく潰す。

 嘘でしょ?というくらい砂糖を加える。

 レモン汁を少々加えてレンジで加熱した。




 数分後、レンジが喧しいので「はいはい」と呟きながら小走りで近寄り、レンジの蓋をあけると、どろーっと赤色が溢れていた。




 苺を殺したような気分になって、一度蓋をして見ないフリをした。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る