つっこめ! ルネサンス
@LED-yy
はじめに
序 「狂えるオルランド」とは?(読み飛ばし可)
* 「狂えるオルランド」とは? *
16世紀イタリア・ルネッサーンス期に書かれたクッソ長い叙事詩。
どのくらい長いかと言うと、ダンテ「神曲」の3倍以上。
作者はルドヴィコ・アリオストなるイタリア人だ。
どうも彼は「君主論」のマキャベリと不仲だった模様。
時は8世紀半ば。中世ヨーロッパのカール大帝ことシャルルマーニュの時代の、キリスト教徒vsイスラム教徒の戦いを描いた作品……なのだが。
史実に基づいていないし、時代考証も世界設定も宗教観もガバガバである。
魔法や怪物の類がバンバン飛び交うわ、騎士たちは愛国心の欠片もなく美女の尻を追いかけ回しては一騎打ちしまくるわ、敵であるサラセン人ことイスラム教徒は「マホメット教」の信者という事にされてるわ。
挙句にマーリンが出てきたり、火縄銃が出てきたり、月に旅行したり。その荒唐無稽っぷりは、歴史小説というよりファンタジー中二病小説である。
ちなみに「狂えるオルランド」は、未完で終わった「恋するオルランド」(ボイアルド著)を補完する形でアリオストが書いたので、思いっきり続き物であり……しかも「恋するオルランド」は和訳されていない!(笑)
本自体がお高い上に、途中から始まる話をいきなり読まされるので、予備知識の無い読者はこの分厚い本をブン投げたくなる事請け合いであろう。
一貫した物語を読みたい人は「シャルルマーニュ伝説 中世の騎士ロマンス」の方を読むことをオススメする。
とにかく全編通してツッコミどころが多い迷作。まあ古典小説だし多少はね?
なお作中に登場する「フランク人」「サラセン人」などはいずれも蔑称であり、正式な歴史学で用いない方が良い単語であるが、本作では敢えてそう表記する。
《 参考文献&ウェブサイト 》
「狂えるオルランド」 ルドヴィコ・アリオスト/著 脇功/訳(名古屋大学出版会)
「シャルルマーニュ伝説」 トマス・ブルフィンチ/著 市場 泰男/訳(インタープレイ)
「シャルルマーニュ大百科」 同製作委員会/著(メディア・テック出版)
「十三世紀のハローワーク」 グレゴリウス山田/著(一迅社)
「ウィキペディア」 http://ja.wikipedia.org/
「無限∞空間」 http://www.moonover.jp/index.htm
「馬虎書房」 http://ayutori.web.fc2.com/index.html
「歴ログ-世界史専門ブログ-」 http://reki.hatenablog.com/
「Zorac歴史エッセイ」 http://zorac.sblo.jp/
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