第19話 前 魔法戦
ダンジョン主か、懐かしい…もう一年か…
店主さん、心配するのかな? 大丈夫、店主さんに内緒すればいい。さあ、出発しよう。
ここで始まったね、私達の冒険。
相変わらず暗いね、ここ。ゾンビは夜間視力と聴力共に優れている。でも、光に慣れていない。だから、ジャジャーン、閃光弾ー! ゾンビは痛覚がないからまだ動けるけど、混乱はするはず。
今の隙に明かりをつけてボス部屋まで走ろう。
前回はゾンビを倒しなから進んでたけど、今の私はゾンビの相手にしなくでもいい。
一年ぶりだね、ダンジョン主。でも、今回は腕試しに来たから、喉も、杖を持つ手も狙わないよ。
ダンジョン主は魔法使いだ。魔法耐性をつけよう。私がこのワンドに組み込めた魔法、アンチマジックバリアは、受ける魔法の効果を減少させる。難点としては、味方の回復魔法の効果も減少させる。
行くよ、ダンジョン主、魔法なんか効かないよ! と、思った時期が私にもあった…
さ、寒っ…え、何? バリアちゃんと発動してるのに…それとも、あれか、バリアがなければ私は死んでいた?駄目だ、一旦逃げよう…
まさかこれほどとは。じゃあ、仕方ない、これを使おう。ジャジャーン、対温度差ローション。火山に棲む、マグマに落ちでも死なない生き物の体液だ。熱容量は高く、耐熱だけでなく、耐寒性もバッチリ。
ははっ! 全然寒くない! さあ、ダンジョン主、お覚悟!
あ、言い忘れた、このローションには欠点がある。塗ると凄く痒くなる…
か、痒い! ちょ、まっ…駄目、掻いじゃ駄目。掻いたり、物理攻撃されたりしたらローションの効果がなくなる…拷問か…とりあえず、逃げよう。
はぁ、はぁ… 幸い、ダンジョン主はボス部屋の外に追いかけて来ない。
ちょっと、店主さん、このローション、全然使える物じゃないけど…これ、高かったのに…
でもまあ、金はまた貯めればいい…じゃなくて…服の上に塗っじゃ駄目? いや、それじゃ全身に塗ることは出来ない。服…あ! マジックコート!
魔法言語を勉強したから、ワンドに組み込んだ呪文を書き換えできる。ワンドの魔力を充填する魔法石も持っている、時間は掛かるけど…
マジックコートは、約五分間に物理ダメージを軽減させる。ローションをマジックコートの上に塗れば痒くなくなる。でも、物理攻撃されたら、ローションの効果がなくなるから、マジックコートの効果は無駄になる。しかも、マジックコートが消える時、ローションは体に付けたり、効果は無くしたりする…どうしよう…とりあえず、アンチマジックバリアを纏おう。
うん、行こう。
ダンジョン主、魔法を撃て来なさい!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます