第11話 後 騎士
「ケイリ、ケイリ! 聞いていないし…」
「ケイリが考えことしてるとこうなる」
「そういえば、カイル、ケイリとはという関係」
「ケイリは僕の妹みたいなものだ」
「幼なじみみたいな? メイも? 」
「いや、私とカイルは知り合ったばかりだ」
「幼なじみか、そうだな。ケイリは僕が十歳な時に僕の町に引っ越した」
そう、僕はケイリのことが好きた。一目惚れじゃないと思うけど、ケイリに会ったあの日からケイリのことが好きになった。
あの日、僕の母さんの友達が引っ越して来たと母さんがはしゃいだ、母さんの友達は三人家庭だ、その家の娘さんがケイリだった。
大人達が会話してるから、僕はケイリと遊ぶことになった。無口な子だと思った、話しかけても、簡単な返事しか返ってこない。正直気まずかった、この空気を耐えられなかった僕はつい口を滑って、愚痴った…
「父さんのような騎士になりたいけど、父さんが厳しくてね。はぁ、毎日筋肉痛で…」
僕はすぐに後悔した、ケイリは返事して来ない、より気まずくなった。
「あの…」
え? 今、誰か何を言ったのか? まさか?
「はい! 」
「えーと」
やはり彼女だ。ああ、緊張するなぁ、心臓もバクバクだ。
「マッサージとか、あ、ごめんなさい、ごめんなさい」
それがケイリとの出会いだった。無愛想と思ったけど違った、ケイリは真剣に悩んでくれるんだ。声もいいし。
以来、僕はケイリの声を聞くために、なんてもケイリに相談するようになった。なんかさ、ケイリを喋らせると、達成感が湧いて来るんだ。けど、ケイリが喋る度に、何かに怯えているように見える。その訳は、あの頃の僕はまだ知らなかった。
ケイリの母との一件の後、ケイリは前より喋れるようになった。それに、ケイリは多分、僕のことを好きになってしまた。そして僕は気ついた、僕はケイリのことが好き、けどケイリを恋人にしたくない。
何故かというと、ケイリは僕の理想とも言える女の子だ、物静かで、穏やかで、気品があって、正にお姫様みたいな女の子だ。だから、ケイリを穢したくない。僕は騎士で、ケイリは僕のお姫様だ。ケイリができればずっと清らかなままでいて欲しいんだ。彼女を穢す奴は例え僕でも許さないんだ!
だから、ケイリのことを妹みたいに扱うようになった。最低な男なんだな、僕は…
騎士ではなく、冒険者になった今の僕にとっても、ケイリは守るべきお姫様だ。これからも、ケイリを守るために冒険を続けるんだ。
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