脳が腐っててもわかるゾンビ講座

木古おうみ

まずはゾンビの歴史でもやっていこうか

はじめに……挨拶とゾンビについての予習

【講義前のあいさつ】

 『脳が腐っててもわかるゾンビ講座』を受講してくださった皆さん、はじめまして。講師の屍之山しのやまです。まず、開講の動機は何より、皆さんにゾンビとは何かを知ってもらい、そしてゾンビものの創作に役立ててもらうためです。


先日、友人に「ゾンビって映画はあるのに小説だとあんまり見ないよね。もっと書いてくれればいいのに」という話をしたら、「お前みたいなクソ映画好き以外のひとはそもそもゾンビを知らないと思うよ」と言われました。そんなことはないだろうと思ったら。後輩からも「いや、自分もよくわかってないです」と言われました。カルチャーショックでした。

 それから、「ゾンビを題材にした小説が少ないのは、B級ホラー映画やゲーマー以外にはそもそも馴染みがないからか?」と思いました。

 自分の住んでいるところは治安が悪い田舎で、図書館やレンタルビデオショップのような文明的なものはほぼなく、地元にあるゾンビものはだいたい見尽くしてしまいました。他の供給は人里に下りたときか、ネットで文明人の書いたものを見るくらいです。

だから、皆さんにはぜひこの講座を受け、ゾンビものを書いて、受講料代わりに供給してほしいと思います。


【簡単な予習】

 皆さんは「ゾンビ」についてどんなイメージを持っているでしょうか。なんとなく、

・ホラーに出てくる怪物

・ボロボロで腐っている

・頭を攻撃しないと倒せない

・噛まれるとそのひともゾンビになってしまう

という感じだと思います。そして、同じモンスターでも吸血鬼や狼男のような歴史のあるものとは違って、どこか弱いし比較的新しいしチープな印象でしょうか。『脳が腐っててもわかるゾンビ講座』では、まず最初にこうして普通に使われているゾンビという言葉がどうして生まれたのかということと、そういったゾンビのイメージがどうやって作られたのかをお話ししていきたいと思います。


 講師の自分も専門家ではなく(ゾンビ専門家という職業があるのかわからない)、ほとんど映画やその評論、わずかな資料からの知識なのでゆっくりダラダラやっていこうと思います。

 ゾンビものを書く気がない皆さんも、いざゾンビになったときのためにお読みくださったら嬉しいです。人間、生きてる間より死んだ後の方が遥かに長いので……。

 よろしくお願いします。

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