Cross/Life
水河らん
エピローグ 幼き日の記憶
日が沈もうとしていた
時刻は6時過ぎ
外が暗くなっているのにも関わらず活気が衰えることのない街の中を彼___海翔は走る
何故かというと彼には門限があり、その時間が迫っているからである
それに対して彼は不満などはとくに感じていなかった
親に言われたから
ただそれだけだ
すると小さな路地を見つけた
ここを通れば近道になるだろうか。だか迷っている暇はない。彼は路地に入った
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
しばらく進んでも一向に大きな道に出る様子はない。仕方ない急いで戻るか、と思い顔を上げるとある光景が目に入った
人が4、5人倒れていた
その中央にたたずみ微笑む一人の人間
海翔は何故かその光景から目を話せなかった。
するとその人間が振り返りこちらに歩んでくる。ゆっくりと、優雅に、日が完全に沈んで月明かりだけがたよりの空間の中を。
そして
「やぁ、君は何でこんなところにいるのかな?」と問いかけてくる
それに海翔は「家に帰ろうとしたら道に迷っちゃって…」と、素直に答えた
「ふぅん…………………………………………まぁ子供だとはいえ目撃者だし、いっか」
何を言っているのか海翔は分からない
だが、気が付いたらそいつがすぐそこにいた
首筋がちくりと痛む
力が抜けていく
そして気が付いたら海翔は気を失っていた
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